安倍総理の本音を代弁? 相次ぐ側近の問題発言と有識者懇談会! ~その2~
◆有識者懇談会を隠れ蓑に、責任逃れ!
安倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長代理・北岡伸一国際大学学長が主導)が、集団的自衛権の行使や、憲法9条の解釈変更を盛り込む報告書をまとめようとしています。先の秘密保護法の「情報保全諮問会議」(渡辺恒雄座長・読売新聞グループ会長)や、NHKの経営委員にも、安倍総理に極めて近い人物を多く任命しており、本来なら国論を二分するような重要問題を、初めから「結論ありき」の、有識者懇談会を隠れ蓑にして、国民の目をごまかそうとしています。更に、内閣法制局長官も、外務省出身で、集団的自衛権の行使容認に前向きな、小松一郎氏を起用して、法解釈変更への布石を打っています。このような安倍首相の強気な政権運営に、これまで日本の防衛協力に期待を寄せていた米・英でも懸念が広がっています。英紙フィナンシャル・タイムズ紙は2月20日付紙面に「米国、自ら望んだはずの安倍晋三に後悔」と題するコラムを掲載しました。また、米紙ニューヨーク・タイムズ紙も2月19日の電子版の社説で、「安倍首相は正式な手続きではなく、彼自身の再解釈により、憲法の重要な部分を変えようとしていることに、危険なほど近づいている」との懸念を示し、「安倍首相は他の国家主義者と同じように、憲法が定める平和主義を拒絶している」と指摘し、「個人的解釈による改憲は法の支配に背く」と批判。「日本の最高裁判所は安倍首相の解釈を拒絶しなければならない」と訴えています。
今、安倍首相が「集団的自衛権行使容認」を閣議決定で決めようとしている動きに、民主党は2月27日に党内の憲法総合調査会と安全保障総合調査会の合同総会を開き「内閣で決定する前に、国会で徹底的な議論を行うことを要求する」ことを決めました。連立与党の公明党も、漆原良夫国会対策委員長が「歴代の首相や内閣法制局長官が、何遍も何遍も答弁してきたことを変えるのなら、国民に十分納得してもらうことが必要だ」と繰り返し首相を批判しています。漆原氏も集団的自衛権の行使容認自体に反対しているわけではありません。「公明党支持者の間に、『安倍首相に追随してばかりだ』との不満があるため、国会の場で野党も含む開かれた議論を求めることで、『国民的合意』の必要性を強調する狙いがある」と報道されました。私も全く同じ考えです。維新やみんなが安倍政権へのすり寄り競争を繰り広げている中で、公明党には、原点である”庶民の味方””正義の味方”を愚直に貫き、安倍政権の暴走を食い止める役割を果たしていただきたいと願うものです。なお、この漆原氏の主張に、自民党の大島理森・前自民党副総裁も「憲法9条の解釈は半世紀以上(行政府と)立法府との対話で確定されてきた」と指摘。歴代内閣が国会で重ねた答弁で解釈が確立されたとの認識で、「その変更には国会での議論が不可欠だ」と記者団に語ったと報道されました。
◆31年ぶりの軽自動車増税、ここでも庶民増税が強行された!
消費税率が10%に上がる2015年10月に合わせて、車の購入時にかかる「自動車取得税」を廃止する代わりに、軽自動車を持つ人が毎年納める軽自動車税が、これまでの1.5倍の1万800円に増税されます。昨年12月9日に、総務省が正式に増税を提案してきたのですが、地方の足として大人気の軽自動車を増税するのは自民党の支持層にも評判が悪く、それ以上に連立与党の公明党支持層にも抵抗が強かったのですが、財源を確保したい自民党税調に押し切られました。
「こうなったら意地だ。絶対にシェアを落とすな」。昨年末、大手自動車メーカー・スズキの浜松の本社。会長兼社長の鈴木修は幹部を集めてはっぱをかけた。「税金が安いだけで売れているわけではないのを見せてやろう」(2014年2月22日付朝日新聞・けいざい深話から抜粋)私も中部経済の雄・鈴木自動車の奮闘に期待します!
◆真央ちゃん、外国特派員協会での記者会見は”金メダル”級の受け応え!!
森喜朗・東京五輪組織委員会会長が、2月20日の講演で「あの娘、大事な時に必ず転ぶんですよね」の発言が大きな波紋を呼びました。団体戦での演技についても、森元総理は「見事にひっくり返った」と重ねて発言したと言います。ショートプログラムが終わり、これからフリーの演技に挑むというタイミングでの発言だっただけに、余計に批判が集中したのです。浅田選手が、ショートの16位から、フリーでトリプルアクセルを含むすべてのジャンプを成功させ、日本中の、いや世界の人々に感動を与えただけに、森元総理の無神経かつ上から目線の言葉には、同じ日本人として、怒りを通り越して恥ずかしくなりました。この「東京オリンピック・パラリンピック組織委員会」の会長職も、安倍首相の強い要請を受けて就任したものです。
その浅田選手が、2月25日にソチから帰国したその足で、東京都内の日本外国特派員協会に行き、記者会見を行いました。その最後に「森元総理の発言をどう思ったか」と質問され、「私自身、それを聞いた時は、終わった後だったので、『あ~そんなこと言っていたんだな』と思ったんですけど、人間なので失敗することもありますし、仕方が無いと言えばそれはそうではないとは思うんですけど、やはり自分も失敗したくて失敗している訳ではないので、それは違うのかなと思ったんですけど、でも森さんはそう風に思ったのではないかなと思いました。私は別にいま何とも思っていないですけど、たぶん森さんがあの発言をしてしまったことについて、森さんはいま少し後悔しているのではないかなと思っています」と笑顔で答え、記者会見場は拍手と笑いに包まれたと報道されました。その日、夜9時のNHKテレビで、大越キャスターが「非常に答え方が難しい質問だったと思うが、真央ちゃんの受け答えは”金メダル”ものだった」と高く評価していました。私も真央ちゃんと同じ名古屋人として誇りに思います。そういう意味では、ソチ五輪で唯一人の金メダリストとなった羽生結弦選手(19歳)が、表彰式で国歌が演奏される中、日の丸が掲揚されるのをしっかりと見つめ、口を大きく開いて”君が代”を唄っていた若武者の姿は、同じ日本人として胸を打つものがありました。凱旋帰国して、「報奨金をもらったら、被災された方々への寄付やスケートリンク(建設)への寄付などに使いたい」と話し、その謙虚さも”金メダル”でした。
(2014年3月28日 記)