吉田つねひこ「政治が視えるメルマガ」の第81号です。
このメルマガでは、国会の流れ、政策の動き、私の活動などをお伝えします。
テーマ : 日本の医療制度を名実ともに世界一にするために
~ Medical Tourismを考える ~
―第13回―
~はじめに~
「Medical Tourism(メディカルツーリズム)」について、今号で13回目の寄
稿になりますが、前回より日本の状況と可能性について論じております。
前回は、外国人を受け入れる際の諸課題、経済効果等について記述いたしま
したが、今回は、もう少し日本のMedical Tourismの可能性について考察して
まいります。
■Medical Tourism(メディカルツーリズム)を考える
:その13 日本のMedical Tourism<乙:健康観光、抗加齢医学>
日本のMedical Tourismの可能性の一つに挙げられるのは“健康観光(健康
長寿観光、予防医療観光、抗加齢医学観光)”ではないでしょうか?私自身、
日本抗加齢医学会の評議員を拝命しておりますが、老化こそが万病のもとで
あるとともに、国民が病気になることで国家の医療費は膨らみます。健康で
長生きする事、寿命まで健康に生きること、もっと言えばピンピンコロリが
理想ではないでしょうか?であればこそ、健康寿命の延伸は国家戦略として
極めて重要であるとともに、殆どの国民が望むものであると思います。それ
は国内外問わず同じであると思います。
幸いにも、日本には様々なモノづくりや技術のほかにも健康や長寿のイメ
ージがあり、安全やおもてなしについても国際的に高い評価を得ています。
これらのクールジャパンの一環である日本の誇る見えない資産を最大限に活
用して、“健康”もしくは“健康長寿”“未病”をテーマとした訪日旅行提
案を積極的に行うことで、新興国の富裕層など健康意識が高い人々を呼び込
み、Medical Tourism潜在層として育てる戦略は有望ではないでしょうか?
この“健康観光(健康長寿観光、予防医療観光、抗加齢医学観光)”とでも
いうべき未病をテーマとする新しいMedical Tourismの提案は、病気でない方
をターゲットにすることもあり、それこそ非常に魅力のある国である日本で
本当の観光を楽しむこととセットでの提案には相当な魅力があると思います。
別の視点からいえば、Medical Touristが自己負担で健診や治療を受ける場
合、自国で受けるよりもはるかに満足度の高い検査や治療を求めることにな
ります。これは、日本の各医療機関がMedical Touristに対して、レベルが高
く満足度の高い医療を提供できる環境を整えることに繋がります。それは結
果として、まだまだ健診や人間ドックの受診率が低く、予防医療に対する意
識が十分であるとは言えない日本国民の受診促進に繋がる医療機関受診時の
満足度向上をも実現すると考えられます。これは、タイのMedical Tourismが
自国民を置き去りにしていると批判されるのとは逆の評価を受ける事にも繋
がります。
例えば、元来日本の健診は予防医学という考え方に基づいて設計された独
自性があるものであることに加えて、先進的な医療機器を用いた画像診断や
東洋医学から遺伝子診断まで含めた集学的な学問としての抗加齢医学を加え
たものにすることで、健康長寿という観点であればMedical Tourismにおいて
十分に競争力を持ちうるのではないでしょうか?
次稿以降では、私の経験した海外ボランティアの経験をご紹介し、日本が
果たすべき役割や日本の医療の更なる可能性なども考察していきたいと思い
ます。
(次号に続く)
元衆議院議員 吉田つねひこ
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(2017年5月9日 記)
民進党愛知県第1区総支部長
元衆議院議員 吉田つねひこ