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vol.63 日本の医療制度を名実ともに世界一にするために~新設医科大学構想にもの申す~《第8回》

吉田つねひこ「政治が視えるメルマガ」の第63号です。

このメルマガでは、国会の流れ、政策の動き、私の活動などをお伝えします。

 

テーマ : 日本の医療制度を名実ともに世界一にするために

~新設医科大学構想にもの申す~

― 第8回 ―

 

~はじめに~

前号では、医療崩壊を招く原因の一つとして指摘されている勤務医師数と

開業医師数のアンバランスという問題から、勤務医師の処遇を改善して医療

崩壊を食い止めるための処方箋を提示させていただきました。これに対して

今号では、開業するための新たな許認可制度を創設することで医療崩壊を防

いでいくための新たな処方箋を提示してまいります。

 

■医療崩壊を防ぐ処方箋:その6

<医師免許制度の抜本改革-勤務医師の待遇改善と開業に要する免許(乙)>

本稿では次なる処方箋として抜本的な改革になりますが、開業に関する要

件、つまり開業するための許認可制度(免許等)について考察していきまし

ょう。勤務医師数と開業医師数を厳密に統制したければ、新規に開業する医

師数をコントロールすれば良いのは自明の理です。つまり医療機関を開業す

る為の新たな許認可制度を設計するという事です。

実際には以下の二通りの規制及び許認可の仕方があると思います。

1:全国共通で医療機関を開業する事自体の許認可制度を新たに設ける。

2:地域毎(例えば自治体単位、県単位もしくは医療圏毎)で医療機関を開業

する事に対する新たな許認可制度を設ける。

2の方が医療過疎地域を含めた、医師の偏在対策になりうるかもしれませ

ん。しかしこの場合、監督及び管轄はどのように行われるかという事が極め

て重要になります。また医療機関継承の場合はどのようにするのか?等の課

題も残ります。加えて実際の許認可の要件として何を求めるのか?医学的な

知識や技術もしくは手術等の経験や各種専門医の取得状態等を求めるのか?

それとも試験を行うのか?試験を行う場合、各標榜科の学会や医会の関与を

どの程度とするか?内容は開業医に必要な医療政策と保険制度への理解も含

むのか?また都道府県、自治体等の行政や各自治体医師会及び都道府県医師

会等による関与、例えば面接(interview)等は必要であるのか?等も含めた

慎重な制度設計が求められます。

加えて開業の許認可制度を設けるという事は、また逆に停止および取消要

件も設定されるという事になり、それが真に国民の為の医療を実現する事に

直結するようなものにする必要があります。

以上6回に渡り、新設医大及び医学部定員増加政策を本当に国民そして医

療崩壊を食い止める為のものにする為の処方箋および現状のままの医師数で

も医療崩壊を食い止める為の処方箋について献策してまいりました。

~次号に向けて~

次号では、何度か触れてきた米国以外の諸外国の医師の適正配置に係る動

向と事例をご紹介しながら、医療崩壊を食い止める為の処方箋について考察

してまいります。

 

(次号に続く)

 

元衆議院議員 吉田つねひこ

 

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(2016年8月3日 記)

 

民進党愛知県第1区総支部長

元衆議院議員 吉田つねひこ

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