ÇHOMEブログメルマガvol.39◆特定秘密保護法案が衆議院強行可決! 民主党は現行のままでは絶対反対

メルマガvol.39◆特定秘密保護法案が衆議院強行可決! 民主党は現行のままでは絶対反対

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◆秘密保護法案の危うさ、一般人も無関係ではありません!

選挙公約で一言も触れていなかった”秘密保護法”

今年7月の参議院選挙後、初の本格審議となった第185臨時国会は重要法案が目白押
しでした。社会保障制度改革法案、国家安全保障会議設置関連法案、自衛隊法改正
案、電気事業法改正案、産業競争力強化法案、生活保護法改正案、生活困窮者自立支
援法案、日本船舶警備特別措置法案、国家公務員制度改革関連法案、特定秘密保護法
案、国家戦略特区関連法案等々。これらの中で、連日マスコミで大きく報じられたの
が”特定秘密保護法案”でした。「国民の知る権利」が制限される恐れの多い、新聞
やテレビなどの報道機関、ジャーナリストや作家らでつくる日本ペンクラブ、劇作家
協会、日本外国特派員協会、プロ写真家団体、児童出版社団体、二人のノーベル賞受
賞者を含む2000人以上の学者など多くが反対を表明しました。ジャーナリストの
田原総一朗さんは「官僚による恣意的な秘密指定をチェックする機関がないなど問題
だらけの法案で、政権は審議をすればするほど反対が強くなると考えて、国民がよく
中身を知らないうちに法案を通そうとしている」と批判し、ノーベル物理学賞の益川
敏英・名古屋大学特別教授は「政治をやる上で秘密にし続けなければならないことは
ありません。外交や防衛に関する内容であっても、後から必ず公開されるのが大原則
です。無制限に秘密を指定できる法案を通せば、恐ろしいことが起こります。(中
略)今回、専門分野を超えてこれだけの学者が集まったのは、国民全般の生活に関わ
るからです。それだけの危機感を持たなければならないのです」とのコメントを発表
されました。
一方で、漫画家の小林よしのりさんは「社会問題を発言するわしにとって情報は命
綱。イラク戦争では、大量破壊兵器がないと確信し、反対した。情報を得るために官
僚に接触することもある。その時、特定秘密に触れれば、わしも逮捕されるんです
か。言論人やジャーナリストが委縮して、権力のウソを暴けなくなれば民主主義は成
り立ちませんよ。  わしは国民も信じられない。国家の行く末を自分で判断するつ
もりなら、正しい情報が  必要だ。なのに、一市民には関係ないという政府の言い
分を多くが信じている。戦前の  治安維持法は共産主義運動の規制が目的だったの
に、無関係の多くの人間が捕まって拷問を受けた。戦前みたいにはならないと、みん
なタカをくくっていないか」と、国民の無関心さについても厳しい発言を朝日新聞に
載せていました。また、中日新聞”中日春秋”の「〈機密というのは、官僚制独自の
発明物だ〉と定義したのは、ドイツの碩学マックス・  ウエーバーだ。〈官僚制的
行政は、つねに公開禁止を旨とする〉ものであり、己の優位を保つため秘密を作り守
ろうとすることほど、官僚が熱意をそそぐものはない。官僚は議会が国政調査権で情
報を得ようとするなら〈あらゆる企てに対して闘争する。十分に情報を  与えられ
ておらず、従って無力な議会は、いうまでもなく官僚制にとっていっそう好都合であ
る〉(『権力と支配』講談社)20世紀初頭に書かれたウエーバーの官僚論が、眼前
でまさに証明されていく思いだ。国政調査権を危うくする特定秘密保護法案を、衆議
院で可決した。政党が自らの首を絞める愚を冒してまで、官の喜ぶ法を作る。吏党の
なせる業だろう」のコラムを、私も政治に関わる者の一人として、心して読ませてい
ただきました。

◆公明党に加え、みんな、維新が自民党すり寄りを競う!

閣議決定段階でも指摘されたという三つの大きな問題点、「恣意的・厳罰・永久化」
の中で、まず懸念されるのは、秘密の範囲が際限なく拡がり、国民から見えなくなる
ことです。法案は特定秘密を外交、防衛など4分野としていますが、何が秘密かを判
断するのは閣僚など各行政機関の長で、権力側の裁量だけで関係のない情報まで恣意
的に秘密にされかねません。
みんなの党とは、秘密指定の「運用基準案」を首相が作成し、閣議決定することで合
意しました。首相が第三者的観点から関与するのだといいます。首相を秘密指定の
「第三者」と見なすのは全くの矛盾であり、とても運用の歯止めにはなりません。1
1月28日から参議院で審議入りし、民主党の福山哲郎議員が「法案の解釈が各党の
提案者によって違う。第三者機関を入れた法案をつくり直すべきだ」と批判しまし
た。これらに対し、菅官房長官が参議院特別委員会の採決直前になって突然、内閣府
に「情報保全観察室」を、法律の施行までに設置すると言い出しました。さらに安倍
首相が「保全監視委員会」、「情報保全諮問会議」を設置する考えを示し、何が何だ
か分からなくなってしまいました。
また秘密漏えいに厳罰を科す部分は、修正協議を経ても全く変わりませんでした。秘
密を漏らした公務員らへの罰則は、最高懲役10年ですが、公務員らを「教唆し、扇
動した」一般市民や記者も、最高懲役5年になり、実際に漏えいがなくても罰則は適
用されます。政府は、市民らの情報収集に関し「特定秘密と知らなければ罪にならな
い」と言っていますが、何が違法かを判断するのは権力側です。研究目的の調査活動
が罪に問われる懸念は強いと言わなければなりません。みんなの党は、党内論議の段
階で「教唆、扇動」の条文を削除するたたき台をまとめたが与党との修正協議では求
めなかったと報じられています。
さらに、「秘密指定期間」の修正協議は維新の会と行われ、政府原案の30年から
「60年を超えることができない」とすることで合意しました。仮にも修正協議とい
うなら、  30年を25年とか、20年に短縮するというのなら理解できますが、
政府案よりも期間を倍増すると言う修正合意は、見たことも聞いたこともありませ
ん。おそらく、これまでの憲政史上なかった珍事ではないでしょうか。60年先とい
うと、このメルマガをお読みいただいている大方の人は、その「真実」を知ることが
できない機関です。この60年に対しても、参議院の論戦の中で首相は「例外中の例
外を除き、60年を超えることができない。原則として一定期間経過後は、すべての
情報は公開される」と答弁、「原則公開」を  強調しながら、あくまで「例外」は
譲らない姿勢は変わりませんでした。

民主党も、私・吉田つねひこも、スパイ天国と揶揄される日本において、外交や国防
の観点から、「機密情報」として、年限を限っての保護指定は当然に必要と考えてお
ります。民主党は4党修正案の問題点を100項目以上並べた論点整理をまとめ提案
しましたが、与党側が応じなかったため、反対姿勢を明確にしました。「国民の知る
権利」を守り、   「報道の自由」を保証する。秘密は最小限にとどめ、適正に管
理するという大原則に立ち、   国民の皆さんの多くの”不安”に対する民主党の
考えを紹介させていただきます。

① 隠すのには熱心だけど、情報公開には後ろ向きとの声に対しては ⇒ 国民
が求めた文書を公開しなければならない範囲を増やします。また重要な情報について
は、国民が請求しなくても、分かりやすくインターネットなどで自発的に情報提供す
ることを役所に義務付けます。
② 都合の悪い秘密を勝手に捨てているんじゃないのとの声に対しては ⇒ 2
007年から2011年の5年間で、約34300件の文書を防衛省が廃棄していた
ことが判明しました(現行法では合法)。これを禁じ、文書を残し、将来に国民が検
証できるよう、公文書管理法改正案を提出しています。
③ 記者が取材できなくなって、知る権利が冒されるのではとの声に対しては 
⇒ 公務員に対する記者の取材などは、従来通りであり、新たに禁止されることは一
切ありません。(民主党提案の、特別安全保障秘密適正管理法案)
④ 何でもかんでも秘密に指定されないのとの声に対しては ⇒ 外国との情報
共有のために必要な、外交と国際テロに関する必要最小限の情報に限定します。(防
衛に関する秘密は現行法制で保護)また、政府が違法行為を隠すための秘密指定を禁
止します。
⑤ 政府が何でも秘密にしてしまうのを誰かチェックしないのとの声に対しては
 ⇒  第三者機関(情報適正管理委員会)が、何を秘密にしてよいかの基準をつく
ります。  「こんな情報を秘密指定にするのはおかしいのでは?」と職員が思った
時は、委員会に通知することを義務付けます。
⑥ 国民の代表である国会はカヤの外なのとの声に対しては ⇒ 国会が政府に
秘密提供を求めた場合、現在は政府が提出するかどうか判断しますが、国会が判断で
きるように国会法を改正します。

◆参議院でも、強行採決!

政府与党は、12月6日夜、参議院本会議でも法案を強行採決しました。衆議院で4
0時間、参議院で22時間、併せて68時間の審議時間でした。過去の重要法案、小
泉政権下の「郵政民営化関連法案」が191時間、第一次安倍政権下の「改正教育基
本法」が   189時間、民主党・野田政権下の「税と社会保障の一体改革法」が
215時間だったのと比較すると、異例の短時間審議、あまりにも拙速、数の論理で
押し切ったと言っても  過言ではありません。「会期が12月6日までなので」
と、自民党の中谷 元・特命担当副幹事長も認めています。年末までまだ20日以上
あるのですから、会期延長して、もっと深い審議を尽くすべきだったのではないで
しょうか。反対・廃案を求める声は日ごとに  高まって12月1日には、日本弁護
士連合会が東京・新宿で抗議活動を行い、道行く人に反対のビラを配りました。この
中で、自民党の石破幹事長が市民のデモをテロに例えた  問題で、「法案に反対す
る人たちをまるで”テロリスト”と考えており、法案が成立すると今日のような活動
を行えば、取り締まりの対象になる恐れもある」との意見も出されました。更に2日
には、国連人権委員会のトップであるピレイ人権高等弁務官がジュネーブで記者会見
し「何が秘密を構成するのかなど、いくつかの懸念が十分明確になっていない。政府
が不都合な情報を秘密として認定するものであり、日本国憲法や国際人権法で保障さ
れている、表現の自由や情報アクセス権への適切な保護が必要だ」との認識を示し、
「国内外で懸念がある中で、成立を急ぐべきではない」と、政府や国会に慎重な審議
を促しました。また、俳優の吉永小百合さんや菅原文太さん。映画監督の山田洋二さ
んや大林宣彦さん、脚本家・劇作家の平田オリザさんや山田太一さん。音楽家の坂本
龍一さんやなかにし礼さん。作家の村上龍さんや瀬戸内寂聴さん。ジャーナリストの
江川紹子さんや永六輔さんなど、幅広い著名人も反対の意思を明確にしました。自民
党議員で唯一採決で棄権した村上誠一郎・元行革担当相は法案が成立した6日夜「丁
寧に時間をかけてやるべきことを、あまり拙速にすると民意は『倍返し』で返ってく
る」と語りました。法案は成立しましたが、多くの人々が「法律廃止」を求め、今後
も活動を継続していくことを表明しています。皆様も関心を持って注視していただけ
れば幸いです。(2013.12.9記)

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