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【国会】科学技術・イノベーション推進特別委員会にて一般質疑に登板 4月12日

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今回は科学技術・イノベーション推進特別委員会にて、加齢黄斑変性等のiPS細胞研究の情報公開と予算、ベンチャー企業支援、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の3つのテーマについて質問いたしました。是非詳細な答弁内容をご覧ください。

【第1質問:加齢黄斑変性等のiPS細胞研究、情報公開及び研究予算総額について】

<吉田つねひこ>iPSから作成した目の網膜色素上皮細胞を使って、加齢黄斑変性の患者に対する臨床研究を2013年度に始める意向が当時はあった。実際は、2014年9月12日に一例目の患者さんへの自家iPS細胞由来の網膜細胞を使った加齢黄斑変性の臨床研究としての移植手術が実施をされています。2014年9月12日です。これは自家移植です。2017年の3月28日に、研究リーダーの高橋政代医師は、他家のiPS細胞を用いた滲出型加齢黄斑変性の臨床研究の1例目の移植手術を行っています。その後、全5症例に移植手術を施行して、2018年11月に全症例が1年の経過観察期間を過ぎる。ここで恐らく何らかの情報公開がなされることを期待しておりますが、情報公開はむちゃくちゃ遅れていますね。なぜこれほどまでに遅いのか、政府の御答弁をいただきたいと思います。
<磯谷政府参考人>御指摘の高橋政代プロジェクトリーダーを代表とする加齢黄斑変性に対する研究につきましては、先生が今御指摘の経緯をたどっているわけでございますが、先ほど申し上げましたように、有効性だけではなくて品質、安全を重視しながら慎重に研究を進める必要がある中で一定の時間を要しておりますが、先ほど先生御紹介いただいたような、例えば、平成27年にiPS細胞ストックを用いて、29年に網膜色素上皮細胞移植が実施された、そういうことで着実に進捗をしているものと認識をしてございます。

<吉田つねひこ>自家移植が世界初で実際されているのはすばらしいことですが、この後、実際には理研は、自家iPS細胞を使用することの問題は培養時間とコストの削減が大変重要課題であると言ったきり、自家移植を一旦やめています。他家移植にかじを切った。その辺が全然国民に対しても説明されていない。患者さんたちは研究の進展を待ち望んでいるし、少なくとも毎年数億円以上の予算が投下されていますよね、国から。最低2億円の年もあるけれども、重なっている年は5億円ぐらい、5億円以上かな、予算が組まれているわけです。だから、我々は大変期待をするんですが、このままだと、ES細胞由来のいわゆるRPE、網膜色素上皮細胞による再生医療だとか、あと、国内でも、iPS細胞によるパーキンソン病、脊髄損傷、脊損の治療、あと、肝臓や心筋の再生におくれをとる可能性があると私は大変心配しております。政務官、ここをしっかり見ていただいたのです、どう思われますか。

<大沼大臣政務官>吉田委員が提起していただきました加齢黄斑変性に対する臨床検証につきましては、厚生労働省といたしましても、再生医療実用化研究事業におきまして、平成25年度から平成29年度までの5年間に総額約7.6億円を支援しているところでございます。委員御指摘の、進捗がちょっと遅いんじゃないか、また情報公開についても徹底してほしいという御意見でございますが、平成29年の11月には、まずは他人のiPS細胞を用いた臨床検証については、予定症例数が終了しており、現在経過観察期間中ということで、今年の秋にはその経過観察期間が終了するものというふうに理解しているところでございます。高橋政代プロジェクトリーダーには、AMEDの一般向けの成果報告会等々でも幅広く一般の国民向けにも成果を発表いただく機会を設けていただきたいというふうに思っておりますし、今後も、個人情報の取扱いには十分配慮しつつ、広く情報提供を求めるとともに、国民のそういった機運を高めることによって、しっかりとこの研究自体を前に進めるよう尽力してまいりたいと思います。

<吉田つねひこ>本当に情報公開がしっかりしないと、これだけ予算をかけて、やはりちょっと、皆さん、国民は納得しない部分もあるし、期待をしている部分、ほかに抜かれてしまう、これはせっかく日本が世界のフラッグシップでやっているものなので、抜かれちゃったらもう元も子もないんですよ。だから、しっかりやっていただきたい。今言っていただいたように、ことしの11月に、情報公開、他家移植の5症例をしっかりとしていただきたい。知財との関連もあるので、そういうところはしっかりもちろん配慮していただきたいと思います。

【第2質問:ベンチャー支援、Exa Scaler社再発防止とベンチャー支援への思いについて】

<吉田つねひこ>スーパーコンピューターの開発を手がけるベンチャー企業をめぐる国の助成金不正受給事件がありました。ペジーコンピューティングが8億円の所得を隠して法人税約2億円を脱税した疑いからるるあったわけでありますが、事件では、斉藤被告ですね、社長でありましたが、この方が複数の助成金をだまし取った詐欺容疑ということで再逮捕されています。NEDOが最初の助成金の採択を決めたのは、平成22年1月の同社設立から半年後だったわけであります。その後、ペジー社は、22年から29年度、5事業でNEDOから助成金を得ています。総額は35億2400万円ですね。ほかにも、ウルトラメモリ社が数億円、エクサスケーラー社、これは文科省所管の国立研究開発法人から60億円の無利子融資が認められて、約52億が融資されていた。立件された助成金を含め、約100億円の資金投入が決まっていた。結局、文科省の52億は返還ということになったと聞いています。こういう事件、もちろん再発防止が極めて重要ですよね。再発防止は極めて重要。しかし、国内のベンチャーの創出力を損ねるようなことがあっては絶対いけない。今、やはり世界の、さっきのOcata社も、あれはベンチャーなんですよ。そういったベンチャーがアメリカやヨーロッパでは非常に大きな力を持って産業を活性化しているので、こういった再発防止に向けて、そして、かつ、ベンチャーの創出力や力、日本の力を損ねることなく、できればベンチャーの力をしっかりと後押しするようにしていただきたいんですけれども、そこに関して御意見を伺いたいと思います。

<佐野政府参考人>ベンチャーに関してでございますが、迅速で機動的な研究開発型ベンチャーは、すぐれた研究成果や技術シーズを、スピード感を損なうことなく市場創出につなげていくという上で、非常に重要な役割を果たすことが期待されているところでございます。このため、文部科学省におきましては、起業に挑戦し、イノベーションを起こす起業家人材の育成、いわゆるアントレプレナーシップの醸成を行うことでありますとか、起業前段階からベンチャー設立に向けたビジネスモデルの構築や研究開発を支援することでありますとか、大学等のシーズを用いた研究開発型ベンチャーによる実用化開発を支援することといった、ベンチャーの成長過程に合わせた支援プログラムをこれまで実施してきたところでございます。今後とも、先生御指摘のように、研究開発ベンチャーに対する支援の流れを失速させることなく、関係省庁とも連携しながら、その支援の推進をしっかりと行ってまいりたいと思ってございます。

【第3質問:AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の国際拠点整備及びブレーンサーキューレーションについて】

<吉田つねひこ>AMEDが発足する前は、日本版NIHという言葉が頻繁に出ていました。しかし、AMEDというのは、NIHとは全く違う構造をとっています。つまり、今のAMEDは日本版NIHにはなり得ておりません。NIHというのは、御承知だと思いますけれども、現在、27の大きな研究所や病院から構成されていますが、AMEDはそのような施設を一切保有していないんです。当初から、予算をふやして、みずからの研究所や病院を持つべきではないかという指摘はずっとあったわけでありますが、アメリカNIHとの違いは、自前の研究室がないことで、例えばAMEDが独自の研究室を持てば、日本国内だけではなく、世界中の優秀な研究者を集積させて、しっかりとした研究ができると思います。また、場所はおのおの独立していても結構ですので、あまたある国内のナショナルセンターの組織を統合して、日本版NIHをもう一度目指してみてはいかがかなと思いまして、政府の御意見をいただきたいと思います。

<越智副大臣> 我が国とアメリカとでは、医療研究が行われてきた歴史的過程が異なるというふうに考えております。アメリカのNIHは、もともと研究室として設置されまして、その後、傘下の研究所等をふやしてきたのに対しまして、我が国の場合は、NIHのような中核組織はそもそも存在せず、大学や研究所等に対して、基礎研究から実用化まで切れ目なく支援する体制の構築が課題である、そういう問題意識の中でAMEDが発足したわけでございます。我が国では、研究管理の実務を担う中核組織としてのAMEDが設立されて、AMEDは自前の研究所を持たずに、これまでにすぐれた実績を出している既存の大学、研究所等の能力や機能を最大限に活用する、そういうことにしたわけでございます。現に、AMEDに、文科省、厚労省、経産省等の医療分野の研究開発予算を集約し、AMEDが、基礎研究から応用研究、実用化に至るまで、一体的に研究管理、支援を実施しているということでございますので、今後とも、我が国の研究環境を踏まえながら、AMEDを中心に、国内外の大学、研究所と連携しつつ、戦略的に取り組んでまいりたいというふうに考えています。

<吉田つねひこ>副大臣、そのとおりなんですけれども、だから日本版NIHをつくろうとなったんですよ、あのときに。だから、おっしゃるとおりなんです。おっしゃるとおりの経緯があったから、それではブレーンサーキュレーションもできないし、優秀な研究者を日本に呼び込めないからそうしようと思ったわけであって、それはもうAMEDができる前の過程の話をるる御説明いただいたわけなんですよ。わかっています、だからこそ、そこでもう1回発展的にやりましょうというのが私の質問の趣旨です。いかがでしょうか?

<吉田つねひこ>文科省というのはブレーンサーキュレーションを推進しています。これは世界的な潮流からいっても当然なことで、絶対やらなきゃいけない。ただ、日本のブレーンサーキュレーションの問題点は、海外で研究をしている日本研究者、特に、萌芽的な研究や独創的な研究であればあるほど、その受入先がないんです。いいですか。だから、AMEDが独自の研究室を持って、世界中の研究者、これは日本人だけじゃなくて海外も含めて、理想の研究ができる魅力ある施設にしないと、ブレーンサーキュレーションという意味でも、海外から優秀な研究者を採る、そして、日本の国から出ていって世界的にすごくいい研究をしている人をもう一回日本に呼び起こす、でも、これが、AMEDがそういう組織にならないと無理なんです。私も、実際、自分が医者ですし、研究者でアメリカでずっとやっていましたから、その欠点をよくよくわかっているからこういう質問をしているんです。いかがでしょうか?

<越智副大臣> 現状、どういう形で取り組んでいるかということを御説明したいと思います。まず、ブレーンサーキュレーションをしっかりと起こすために、スケールの大きな研究ができた方がいいんじゃないかという課題があると思いますけれども、こういう点につきましては、医療分野の研究開発予算を重点的、戦略的に配分すべく、健康・医療戦略推進本部が司令塔となって、AMEDを通じた研究だけじゃなくて、ナショナルセンター、理化学研究所などによるインハウス研究も含めて、一元的な予算要求、配分調整を対象としているということでございます。そしてまた、研究開発の実施においても、この本部のもとで関係省庁、機関が連携して取り組んでいるところでございまして、具体的には、例えば、東北メディカル・バンク計画などを推進したり、あるいは、すぐれた研究の成果としては、発声障害を治療するための医療機器をつくったり等々、現行体制でも一定の成果を上げているというふうに考えております。また、ブレーンサーキュレーションについても、一点だけ申し上げると、これについても、本年度から実施するわけでありますけれども、学術的に質の高い論文誌に複数の論文を掲載している若手PIをリーダーとした国際的なチームを形成して、ノーベル賞級の研究者をメンターとして、国際ワークショップを開催して国際共同研究につなげる、こういった事業も今年度から取り組むということにしているところでございます。

<吉田つねひこ>おっしゃるとおりで、ぜひ頑張っていただきたい。トランスレーショナルなリサーチをしていかないと世界に負けますから、頑張っていただきたい。ところで、WPIがありますね、文科省。これは、世界トップレベル研究拠点プログラムに期待するところなんですけれども、この進捗と成果を簡潔に、最後に質問させていただきまして、終わります。

<磯谷政府参考人>先生御指摘のWPIでございますけれども、世界中からすぐれた研究人材が集まる頭脳循環のハブとなる国際研究拠点を構築することは大変重要だというふうに考えております。このため、文部科学省では、平成19年度から、世界トップレベル研究拠点プログラム、WPIを通じまして、世界中から第一線の研究者が集まる、目に見える国際研究拠点の形成に取り組んでおります。具体的には、各拠点において、拠点内の研究者の人事決定権も含めて、拠点長の強力なリーダーシップを発揮できるような管理を行うとともに、海外から世界トップレベルの研究者を招聘しまして、その割合を30%以上とするなどを目安にしております。これによりまして、例えば、研究者におきましては、世界の優秀な外国人研究者の割合が、実績で平均で40%を超えるということもありますし、実績といたしまして、いわゆるトップ1%論文などの質の高い論文の輩出割合が、世界のトップ機関であるハーバード大学やスタンフォード大学を上回るなど、卓越した研究水準を達成し、国際的にも高い評価を受けているところでございます。これまで11の研究拠点を採択するとともに、本年度、新たに2つの研究拠点を追加で採択することとしておりまして、引き続き、文科省としても、本事業を通じました拠点形成に取組を推進してまいりたいと思っております。

以上、科学技術・イノベーション推進特別委員会質問報告でありました。

私は、国民の皆様が安心・安全に暮らすことができる社会を構築するため、これからも、政府に訴えていきます。皆様のお声をお寄せください。

衆議院議員 吉田つねひこ 拝

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