ÇHOMEブログ【国会】内閣委員会 大臣所信に対する質疑 2月24日(水)

【国会】内閣委員会 大臣所信に対する質疑 2月24日(水)

吉田つねひこは、2月24日衆議院内閣委員会におきまして大臣所信に対する質疑を行いました。
その詳細は次のとおりです。

<木原委員長> 次に、吉田統彦君。

<吉田(統)委員> 立憲民主党の吉田統彦でございます。本日は40分時間をいただいておりますが、我が国の現下の状況を鑑みれば十分な時間とは言えませんので、早速質問に入らせていただきます。

まず冒頭、官房長官、戦後補償の問題についてお聞きします。太平洋戦争末期、日本本土への空襲によって50万とも100万ともいわれる方が犠牲になったと言われています。また、1945年8月6日に広島、同8月9日に長崎に原子爆弾が投下されました。放射線被曝による後遺症も含め、50万人以上の方が亡くなりました。人類史上初、なおかつ世界で唯一、核兵器が実戦使用された例であります。

これらは民間人に対する大量虐殺であり、戦争犯罪であります。我が国政府は、本件に関して、一義的に誰に責任があるとお考えでしょうか。例えば、それが当該国にあるとお考えであれば、当該国に対し公式に謝罪を求めた、ないしは求めるつもりがあるのでしょうか。ないしは、一元的に我が国に責任があるのでしょうか。官房長官にお伺いします。

<加藤国務大臣> まず、さきの大戦においては、当時の全ての国民、またあるいは現在においてもそうした影響がつながっていると思いますが、何らかの戦争の犠牲を被って、一般市民の中にも筆舌に尽くし難い労苦を経験された方も多数あると承知をしております。また、これまで政府も申し上げておりますように、当時の状況について、今、誰がというお話、これについてはいろいろな見方があるとは思いますけれども、例えば、長崎、広島における原爆の投下、あるいは東京大空襲、これは国際法の根底にある基本思想の一つたる人道主義には合致しないものであったと考えておるところではあります。

<吉田(統)委員> 官房長官、やはり、なかなかはっきりおっしゃりにくいところもあると思うんですけれども、これは、ただ、戦争を起こしたこと、またそして様々なそういった、人道的な部分に合致しないと大臣おっしゃいましたので、そこはやはり当該国にも責任があるんだということですよね、大臣。どこに責任があるのか、もうちょっとはっきりとお答えください。

<加藤国務大臣> 今申し上げましたように、当時の歴史をどう評価するかということにもつながりますから、それはいろいろな見方があるんだろうというふうに思います。ただ、今申し上げた国際法の根底にある基本思想との関係では、その一つたる人道主義とは合致しないものと考えております。それから、その責任論と対である請求権の問題があるというふうに思います。これについては、さきの大戦に係る両国及びその国民の間の財産及び請求権の問題については、個人の請求権を含め、サンフランシスコ平和条約により完全かつ最終的に解決済みであるというのが、これまでの政府の立場であります。

<吉田(統)委員> そうですね、サンフランシスコ講和条約がございますので。ただ、それは、敗戦の結果、サンフランシスコ講和条約というのは受け入れざるを得なかった部分があると思いますね、官房長官。だから、いろいろな見方があると思います。だから、この先の質問の前提としてお伺いしましたので、この先の質問を、してまいります。私の選挙区内の名古屋市の東区の大幸というところには、当時、日本の航空発動機の四割以上を生産していたと言われる工場がある。当初は、その他軍関連の工場や、名古屋港などの商業施設の爆撃がされていた。しかし、終戦時には無差別爆撃になって、罪もない方々が多く犠牲になりました。名古屋では、中心市街地が罹災した昭和20年3月12日、名古屋駅が炎上した3月19日、名古屋城を焼失した5月14日の大空襲が知られています。

被害は人間だけにとどまらず、当時、東洋一とも言われた千種区の東山動物園でも、爆撃で壊された飼育施設から逃げ出さないようにという配慮から、猛獣類が殺処分されてしまいました。この中で二頭の象が生き延びまして、戦後、この象に会いたいと望んだ子供たちのために特別列車が名古屋に向けて走った様子は、「ぞうれっしゃがやってきた」、そういった絵本にもなっています。

しかし、こういった多大な犠牲をもたらしたにもかかわらず、戦後、民間人の空襲被害者には国からの補償、援護は一切ありませんでした。また、空襲の実態調査を行われておらず、犠牲者の追悼も十分とは言い難い状況です。

この空襲被害に対する補償を求めた裁判では、いずれも原告側の敗訴の判決が出されました。しかし、近時の裁判の判例では、給付そのものを否定しているというよりは、補償給付の必要性は様々な政治的配慮に基づき立法を通じて解決すべき問題であるとするものがあり、政府そして国会はこの問題に真摯に向き合わなければならないと私は考えます。

そこで、官房長官に伺います。昨年が戦後75年ということで、関係者の多くは亡くなっています。長く被害と補償を訴えてきた方々にとっては、もう待ったなしの状況となっています。政府は、戦後、国と雇用関係にあった軍人軍属等が公務等による傷病によって死亡した場合には、国が国家補償の精神に基づいて補償を行う仕組みがあって、60兆円以上と承知しておりますが、巨費を支出してきたとされています。しかし、それ以外の民間人の被害に関しては、今日まで対象外としてきました。政府として、この太平洋戦争時の民間人に対する空襲被害の補償については議論はされていますでしょうか。

<加藤国務大臣> 政府としては、これまでも、一般戦災者の方に対しては、一般の社会保障施策の充実などを図る中でその福祉向上を努めてきたところでありまして、各府省がその所掌に応じて対応しているところであります。また、一般戦災死没者の追悼においても、例えば全国戦没者追悼式を開催する等、そうした事業というんでしょうか、そうした対応も取らせていただいているところであります。

<吉田(統)委員> 各省庁がばらばらと、官房長官、いろいろな社会保障政策の中でそこを穴埋めしてきたという趣旨でしょうかね、今の御答弁は。しかし、そうすると、長きにわたって、政府が一貫して、例えば官房長官なりが、この空襲被害者の補償、75年の長きにわたってはっきりとしたメッセージを出してこなかったということになると思うんですけれども、それはどうして、そういったはっきりとした、先ほど官房長官がおっしゃる意味は分かります、各社会保障によって包括的にそこを覆ってきたとおっしゃりたいんだと思いますが、しかしながら、画一的なしっかりとしたメッセージとしての補償がされてこなかった。どうしてこれは補償されなかったと官房長官はお考えでしょうか。

<加藤国務大臣> この認識は、先ほど申し上げたように、さきの大戦においては、全ての国民が何らかの戦争の犠牲を被って、一般の市民の中にも筆舌に尽くし難い労苦を体験された方が多数ある、こういった認識に立った上で、社会保障政策を始め、そうした中で個々の事情に応じた対応を図っていく、こういう考え方でこれまでもやってきたところだというふうに考えております。

<吉田(統)委員> おっしゃることは分かるんですけれども、それはコロナもそうですよね。これは全国民が不自由をされて、本当に戦時中とまごうべき今は大変な時期ですが、戦時中、本当に全ての国民が、もちろん日本国民、我が国の全ての国民が様々な意味で犠牲になったのはそうなんですが、しかしながら、メッセージとして明らかなものをやはり出していただくということが非常に重要じゃないかと思うんです。そこで、昨年、超党派による議員連盟で、空襲被害者に対する補償を目的とする空襲被害者救済法の要綱案がまとめられています。それによると、空襲で身体に障害を負ったり精神に疾患を抱えたりした民間人が対象であります。厚生労働省が設置する審査会の認定によって支給をするというたてつけになっています。恩給法や戦傷病者戦没者遺族等援護法に基づく給付金の受給者は除き、50万円を給付するというものであります。

そこで、対象者も非常に限定的な法律でありますし、そもそも法施行時点で生存していることを要件としておりまして、政府が危惧するような、今も際限なく全てだというふうに官房長官はおっしゃいましたが、広がるということもないと考えますが、政府として、この救済法の定めようとしている補償の範囲についてはどのようにお考えになるか。官房長官でもどちらでも結構ですが、官房長官、お答えいただけますか。

<こやり大臣政務官> お答え申し上げます。先生始め国会において様々な御議論をなされていることは承知をいたしております。その上ででございますけれども、お尋ねの議員立法につきまして、今まさに検討されている段階にあるというふうに承知をしております。その範囲等、御指摘ございましたけれども、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。いずれにせよ、我々厚労省を始め政府といたしましては、一般戦災者に対しまして、社会保障施策の充実などをしっかりと図る中で対応をしてまいりたいというふうに考えております。

<吉田(統)委員> 政務官、ありがとうございます。おっしゃる趣旨は分かるんですが、この範囲はどう考えるかということに関しては答えを差し控える必要はないんじゃないかと私は思うんですが、もうちょっと何かおっしゃれませんかね。範囲の問題に関して申し上げているので、そこは差し控えるようなところではないような気もいたすんですが、どうでしょうか。

<こやり大臣政務官> お答えいたします。まさにさきの大戦において多くの国民が被災されました。そうした中で、先生始め国会の中で今その法案につきまして中身を検討されているということでございます。そういう状況を考えまして、政府としてあえてコメントを入れるということは差し控えた方がいいかというふうに承知しております。

<吉田(統)委員> 分かりました。国会でしっかり議論してまいりたいと思いますので、厚生労働省、また、立法、法が施行された折にはしっかりとお答えをいただきたいとお願いを申し上げて、次の議題に移ります。

次に、新型コロナの対策にまつわる予算について官房長官にお聞きします。新型コロナ感染症対策に使われるものが大宗を占めるとして、三次補正では一般会計で新規の国債発行を80兆円、財投債を30兆円、80兆円と財投債の30兆円を発行しています。もちろん、多額の予備費の計上、これはもう国会でも度々指摘をされていますが、疑義があることは改めて申し上げておきますが、国債は補正予算で必要であるから発行した、これは当然理解しています。しかし、国債の発行高は短期のものを含めて1200兆円規模になっています。これらの国債の償還をどのようにしていくのか、特に増加した新規発行の80兆円の国債についてはどうしていくのか、官房長官、お答えください。

<加藤国務大臣> 先般の令和2年度補正予算等を通じて、新型コロナ禍において国民の命と暮らしを守るための対策上、その財源として大量の国債を発行して、その確保を図ったところでございます。まだ現状、新型コロナの影響、また緊急事態宣言も発出をされ、それぞれの影響は国全体にも広く及んでいるところであります。現状において債務の議論を進めるというよりは、まずは感染を収束させることに全力を尽くすべきだと考えているところであります。その上で、これまでも経済あっての財政との基本的な考え方を申し上げてきたところであります。成長志向型の経済政策を進め、経済再生に取り組むとともに、財政健全化に向けた取組も並行して進めていく必要があると考えております。

<吉田(統)委員> 官房長官、今のお話は承りましたが、ただ、今回、特別にやはり相当な額の国債を新規に発行をしているわけです。それに関して60年償還ルールで返還をしていくんでしょうけれども、これを償還するためには、このまま、今のままの税収でそれを償還していくというのは非常に難しい部分があるんじゃないかとみんな国民は思うわけです。国民の皆さんは、消費税を上げるのかとか、金融課税を強化するのか、法人税を上げるのか、もしそういったちゃんとした具体的な方策がないのであれば、償還額がいたずらに増加するだけの無軌道、無計画に国債を発行したと理解される国民もいらっしゃるから聞いているんです。それでよろしいかということであります。しかし、もちろん、念のため申し上げておきますが、消費税は時限的であっても下げるべきであって、私は上げろとは決して言っておりませんので、そこは御留意ください。官房長官、お願いします。

<加藤国務大臣> 吉田委員の議論の、背景と言ったら失礼かもしれませんが、の中には、東日本大震災のときの対応ということもあるのかなと思って今の質問を聞かせていただきました。ただ、あのときは特定の地域に大変大きな被害が発生をし、その被害を国民全体で分かち合う、こういう考え方であったと思います。そして、復興債務の区分経理そして税制による措置、これが講じられたところであります。ただ、今回は国民全体に大変大きな影響が広い範囲にわたっているわけですから、おのずと性格は異なるんじゃないかなというふうに思っております。その上で、もちろん我が国の財政に対する信頼性あるいは国債に対する信頼性ということは、これは非常に大事でありますから、それに向けた取組をしっかり行っていく、このことは大変大事だと思っております。今具体的なことを申し上げる状況ではないということは、先ほど、コロナ禍への対応がまず第一だということでありますけれども、しかし、そうしたことと、それをまず第一に取り組みながらも、先ほど申し上げた成長志向型の経済政策を進めて、まず経済再生、これをしっかり図っていく、そういった中で、財政の無駄等を排しながら財政健全化に向けた取組をしっかり進めていくことが、あるいは、財政改革を通じて財政の健全化を進めていくことが必要だということであります。

<吉田(統)委員> 官房長官、経済再生は、常に、ずっとテーマとしてやられているわけですよね。今の話は、ふだん、平素から官房長官がお考えになっていることでもありましょうから、はっきり申し上げて、私の質問の趣旨からはちょっとずれてしまうんですけれども、いずれにせよ、今の官房長官のお話を考えると、平素どおりのことを取りあえずはやっていく、そういうことですよね。お答えは要りませんが、そういうことだと聞こえます。

では、少しまた別の質問をしていきます。三次補正、そして令和3年度の一般会計予算でも、感染防止対策、感染拡大防止策の対応がやはり少ないような印象を受けます。コロナ対策と銘打って計上された予算、例えば三次補正ではGoToキャンペーンの経費が計上されるなど、経済優先で、感染防止対策に余り力が入っていないようなイメージを受ける方も国民に多くいらっしゃるんですが、私も若干そう思いますが、官房長官、そうではないということであれば、端的にはっきりとお答えいただけますか。

<加藤国務大臣> 先般成立をしていただきました令和2年度第三次補正予算では、病床の確保、雇用、事業の支援などに対する財政措置を盛り込むとともに、現時点では2.7兆円になっていますが、コロナ予備費も確保しているところであります。また、来年度予算では、保健所の人員体制の強化、診療報酬の大幅な加算に加えて、これも5兆円のコロナ予備費により、新型コロナ対策はしっかり行っていくということにしているところでございますので、私どもとして、先ほど申し上げた、まずはコロナの対策を第一に取り組む、こういう姿勢で予算も組ませていただき、また、その予算にのっとって執行等、しっかり進めていきたいと考えております。

<吉田(統)委員> ありがとうございます。次の問いまでまとめてお答えいただきましたので、そこを前提にちょっとお話をしますが、今、官房長官、診療報酬ということもおっしゃっていただきました。しかし、診療報酬で支援するということは、患者さんの負担も増えるんですね、当然ですが、患者さんは自己負担分がありますから。そうすると、逆に受診抑制がかかったり、いろいろなことが起こってくる可能性があるんです。やはり、総合病院対策のことを先ほど申し上げたかったんですけれども、それもまとめて言っていただいたんですが、小手先の対応はちょっと難しい現状になっていると私は思います。それが後々の質問にも関係するんですが、例えば、私が申し上げたように、診療報酬に頼らず、医療機関の規模とか患者数に応じた給付型で今回医療機関は乗り切っていかないと、特に、大きな、大規模な病院になればなるほど大変厳しいですね、政務官もそう思っていらっしゃると思いますが。政務官、ここに関して、ちょっとお答えいただけますか。どうですかね、診療報酬以外の、給付なりなんなりかで応援していこうという意図や思いやそういう支援策があるのであれば、お願いできますか。

<こやり大臣政務官> お答えいたします。先ほど、官房長官からも少し答弁の中で触れられました。厚生労働省といたしましても、今回のコロナの対策におきまして、昨年の補正予算あるいは来年度予算において相当程度の予算を確保し、これは、特に昨年末の緊急パッケージにおきましても、かなりの額、病床当たり、支援をしています。そうした中で、医療従事者の方々にもしっかりと人件費が行くような形で支援をさせていただいているということでございますので、いずれにせよ、地域の医療提供体制、これをしっかりと守るという観点で引き続き支援を続けていきたいというふうに考えております。

<吉田(統)委員> ありがとうございます、政務官。確かに、昨年の二次補正予算でも、新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業、行っていただきました。ちょっと不十分だと私は思いますけれども、現場に立つ、奮闘されている方々に応援がされています。ただ、その後、すっかりそういったものも影を潜めてしまいまして、なくなってしまっている。やはり、医療機関自体も、後ほど女子医大の話もしますが、ボーナスがかなりやはりカットで、年次の昇給も全部、大体、開業医の先生も含めてカットですね。一方、大阪で、コロナ専門病院の看護師さんが大量に退職するなど、差別、偏見とも闘う立場にある方がたくさんいるんです。我々立憲民主党は、野党として、今国会の冒頭、1月18日ですね、もう御存じのとおり、衆議院に、新型コロナウイルス感染症対応医療従事者等を慰労するための給付金の支給に関する法律案を提出しております。こういった形でしっかりとまた応援をしていきたいという趣旨なんですが、これは野党からの提案の法案でありますが、こういった形のものは再度やっていく御意思はないですか、政務官。

<こやり大臣政務官> 先生御指摘の慰労金、これは昨年の第二次補正予算において措置をいたしました。他方で、この新型コロナ感染症の状況については、昨年、当初のときと現状で、その内容でございますとか対処の方法、大分明らかになってきたというような事情の変更があると思います。そうした中で、先ほど御答弁申し上げましたように、地域の医療提供体制を守るという観点でしっかりとした支援をこれまで行ってきているところでございまして、先生御指摘の昨年の慰労金のような形での支援というのは、現時点では考えておりません。

<吉田(統)委員> いや、政務官、かなり限界にもう来ていますよ。私も救急の担当、まだ今でもちょこちょこやるんですけれども、本当に今厳しい状況です。現場の医者がやはりもう感染しています。ですから、変わったというより、より悪くなっている状況でもあると思います、この冬、感染者がふえた状況の中で。では、官房長官にちょっと一言お伺いしたいんですけれども、今も厚生労働省、政務官が、医療従事者への支援と、度々、大臣も含めて言っていただいていますが、なかなか口先だけに聞こえちゃうんです、私も現場の人間ですから。現場にメッセージが届いていない状況なんですが、官房長官はそういった状況をどうお考えになるか、また今後どのようなお考えで対応するか、お聞かせください。

<加藤国務大臣> 総理も申し上げていますように、医療従事者の皆さん方、まさに現場の最前線で、場合によっては御自身そのものが感染するリスク等、あるいは御家族との関係等、いろいろな困難な状況がある中で、コロナの患者さんを救うために日々全力で尽くしていただいていることは、心から感謝を申し上げたいというふうに思います。医療現場の状況も、当時、私も厚労大臣を務めていたこともございますけれども、関係者からもお話を聞きながら、こうした、特にコロナの対応をすることによって、その病院で働く人が、逆に、どう言ったらいいんでしょうね、損失というかマイナスを被るようなことがあってはならない、こういう思いでこれまでも対応してきたところでございまして、そういった中で、先般も、そうした受入れをしていただく病床等に対する特別の給付金というんでしょうか、加算も設けさせていただいたところでございます。しかも、そうした加算は、基本的に働く人の方にも回してくれということも申し上げ、また、使いやすいようにも厚労省において日々工夫もされているというふうに承知をしております。基本的に、先ほど申し上げたように、コロナ等の対応に当たっている皆さんが、それによってむしろダメージを被る、こういうことがないように、引き続き取り組んでいきたいと思います。

<吉田(統)委員> ありがとうございます。

では、ちょっと、時間が大分なくなってきましたので、テーマを変えさせていただきたいと思いますが、引き続き官房長官にお伺いしたいんですが、菅総理は、2月17日の予算委員会の集中審議で、新型コロナウイルスワクチンを国内で開発、生産できる体制を確立することは極めて重要な危機管理だとして、国内でのワクチン製造に意欲を示されていました。私は、民主党政権時代に、医療の安全保障の一環として、国産の医薬品及び医療機器を増やすために薬事法を抜本改正して薬機法を作った当時、党の責任者を務めさせていただきましたが、国産医薬品及び医療機器を増加させることは我が国の喫緊の課題であり、これは大いに応援をしてまいりました。

ですから、今回のコロナ危機においても、また永続的な感染症対策においても、国内でのワクチン生産体制の確立は、もう切望しております。我が国の医療業界の悲願でもありますね。そこで、だからこそ伺うんですが、一体どこがこれを担うことができるのか。

先ほど、感染研から脇田所長がいらしていましたが、感染研、全く力不足ということ、これが露呈してしまいました、今回。また、昨年11月18日の厚生労働委員会で私がもう指摘済みですが、大阪府の吉村知事が、威勢よく、進んでいると言っていたアンジェスのワクチンのタイムスケジュールは完全に崩れていますよね。そもそもこのDNAプラスミドワクチンは、開発者自身が、抗体をつくる力が弱いとされる、十分な抗体を確認できるか一番の課題と発言して、効かない可能性にすら言及しているワクチンです。こんな惨たんたる状況で、一体どこが国産ワクチンの国内生産までこぎ着けることができるのか。菅総理の発言の真意を聞かせてほしいんです。また、これが仮に、ただ単に外国産のワクチンを国内で生産する体制をつくればいいというだけの話であったら、これはもう国内産初のワクチンを諦めたということになってしまいますが、この認識でよろしいでしょうか。

<加藤国務大臣> 今回の新型コロナウイルスへの対応も含めて、ワクチンについて、これは国内で開発、生産ができる体制を確立することは、我が国の危機管理においても極めて重要であり、そうしたことも含めて、総理が先ほどのような答弁をさせていただいたというところであります。

では、一体誰がワクチンを作るのかということについては、一義的には企業において行われるものと考えておりますが、政府としては、新型コロナウイルス感染症のワクチン開発の支援として、研究開発や生産体制の整備への補助、また、国産ワクチン開発企業について、発症予防効果を評価する試験の実施費用の補助など、様々な支援を実施してきているところでありますし、また、感染症危機の発生時には、大学や医療機関からの臨床情報や検体等を国立感染症研究所に集約して解析し、これを民間企業を含む研究機関等に提供することで、検査手法、治療薬、ワクチン開発にも活用できるようにしていくことが重要と考えております。このため、国立感染症研究所を中心とした基盤整備のための事業を新たに第三次補正予算の中に盛り込ませていただきました。また、令和3年度の定員において、国立感染症研究所については大幅な増加を図ることとしております。こうした対応を取って、国内での開発、そして製造を含めて、感染危機管理体制の強化、これにしっかり取り組ませていただきたいと思います。

<吉田(統)委員> 官房長官がもう言及していただきましたが、感染研が、やはり本来なら非常に大きな役割を果たすべきなんです。しかし、今おっしゃっていただいたことをちょっと、官房長官自体が、もしかしたら別のしっかりとした説明を受けていない可能性があるので申し上げますが、感染研、国立感染症研究所、ナショナルセンターですね、本来は、パンデミックが起こったら、パンデミック対策の司令塔として疫学調査、PCR検査、封じ込め、もちろんワクチン開発、治療まで一気通貫で対応しなきゃいけない組織です。こういった役割を我々も感染研に期待しています。そのための役割を果たすための予算をつけることを再三再四提案してきましたが、しかし、現在まで、その今おっしゃった話の前までは感染研への予算は全く増えていませんでしたし、定員は逆に減らされてきましたよ、官房長官。やっと来年度の予算案で、ようやく感染研の定員、現在の362人から716人、ほぼ倍増することを決められたようですが、ワクチンの開発に精通した人材とか優秀な研究者を呼んできたり、管理職を増やしたりできる予算立てに、官房長官、なっていないんですよ。

定員が倍増されても、実際、管理職に関して、来年度は1増です。1増。国立感染研全体ではプラス・マイナス・ゼロです。所管の厚生労働省が汗をかかなきゃいけないんですけれども、危機管理をした政府として、倍増した定員に対して、ガバナンスとかそういったものに関して、来年度の管理職は一増という状況、これは話にならないと思いますが、官房長官、どう思われますか。

<木原委員長> こやり厚生労働大臣政務官。まず、こやりさんからどうぞ。大臣政務官、よろしく。その後、大臣、長官にお伺いします。

<こやり大臣政務官> 委員御指摘のとおり、来年度におきましては、約2倍増という形で定員の強化を図っております。管理職の定員が不十分ではないかというような御指摘ではございますけれども、今まさにこの感染症対策において、この国立感染症研究所を中心に、我が国の感染防止に対する研究力の向上の体制も含めて、今、自民党の方でも議論をしていただいておりますし、政府としても議論、検討しているところでございます。そうした流れの中で、具体的なその人員の配置等についてもこれから検討してまいりたいというふうに考えております。

<加藤国務大臣> 具体の話は、今、あるいは厚労省から更に説明させていただきたいと思いますが、先ほど申し上げたように、対応については、大学や医療機関から臨床病床や検体等を国立感染症研究所等に集約し、解析し、これを先ほど申し上げた民間企業を含む研究機関等に提供することで全体としては図っていく、要するにシステム、我が国のシステム全体の中で図っていくというわけでありますから、その中で国立感染症研究所が担うべきその役割が果たせるように、定員等の配置等もしっかり進めていきたいと思います。

<吉田(統)委員> ありがとうございます。全然話にならないので、官房長官、政務官、ちゃんとやってください。この後しっかり備えないと大変ですよ。

ちょっとアンジェスのワクチンに関して、官房長官のお話を聞きたいですね。アンジェス社のワクチンは、昨年11月7日に大阪府の吉村知事は、11月に入って第三相、第四相といって大量化する段階に入っていると事実に基づかない発言をしていたことは、私が厚生労働委員会で指摘済みです。その後、吉村知事の発言が二転三転しています。2月20日の読売テレビ、「ウェークアップ!ぷらす」では、いつ確実に実用化されるか分からないと、あれだけ実用化できるとあおってきたにもかかわらず、すごくトーンダウンしちゃっています。こうしたアンジェス社のワクチンに93.8億円、莫大な予算をつけられていますね。そもそも予算がついた過程も極めて不透明です。

アンジェス社の創業者は安倍前総理のゴルフ友達であります。本人が私に言っていますからね。本当、不透明なんですよ。タイムスケジュールも完全に壊れちゃっています。税金の無駄遣いに見えるんですが、政治家としても吉村知事、非常にこれだけあおって前言を翻しちゃうのは無責任極まりないと思うんですが、官房長官、どう思われますか、この点。

<こやり大臣政務官> お答え申し上げます。厚労省といたしましては、個別の企業はともあれ、全体、開発力の強化に取り組んできているところでございまして、一次補正予算、二次補正予算で総計600億円を予算を確保して、研究開発を始め臨床試験の支援に努めているところでございます。先生御指摘のアンジェスにつきましては、今まさに開発段階でございます。その評価について予断を持ってお答えすることは差し控えたいというふうに思います。いずれにせよ、こうした開発が実用化された場合に備えて、円滑な接種が実施できる体制の整備にしっかりと準備を進めてまいりたいというふうに考えております。

<吉田(統)委員> 政務官、アンジェスの話はもう世界の学者で笑い話になっていますから。私も一応、ノーベル賞受賞事由の論文も一枚書いていますからね、様々な学者と今でも交流しますけれども、笑われています。ちょっとこれは反省された方がいいと思いますよ、本当に。こんな、国民もそんなばかじゃないですから、だまされないですよ。

河野大臣、端的にお伺いしますが、今回、ファイザーのワクチンが前倒しされましたね、日程が。当初の予定より接種開始を早めていって、当初は2月下旬の予定というところから、2月15、2月14と早まってきたんですが、これは通常、やはり厚生労働省、今まで私が行政の在り方を見てきた場合は、非常に慎重な省庁で、こういった前倒しをするということは、やはり安全性とかいろいろなことを考えると、通常なかなか考えにくいパターンのやり方だと私は考えました。その中で、河野大臣、どうして早めたのか。もちろん封じ込めを早くしたいというのもあるかもしれませんが、それにしても、何かいつもの厚生労働省の行政の在り方とはちょっと違う印象を受けるんですが、いかがでしょうか。

<河野国務大臣> ワクチン接種が早まったということですね。それは、準備が滞りなく進み、ファイザーからの供給が参りましたので、予定より前倒しできました。

<吉田(統)委員> 整ったからなんでしょうけれども、通常はゆっくり安全性の評価なりをして、普通は予定どおりに、接種しましょうかと。それは、前もって準備するのは当然のことですから、こういったものに関しては、前もって準備がある程度できた段階で少し余裕を持って開始をしていくのが普通なんですが、着いたらすぐ、じゃ、やりましょうという感じに、印象を受けたんです。それは特に、他意はないということで、河野大臣、よろしいですか。

<河野国務大臣> そのとおりです。

<吉田(統)委員> ちょっと時間がないので、もう少しいろいろ聞きたいんですが、河野大臣、これで済みません、お忙しいので退席いただいて結構です。女子医大の問題をちょっと確認させてください。東京女子医大、2月9日に、東京女子医大職員に対して、新型コロナウイルスの感染で休んだ場合、感染の原因によっては休業中の給与を無給にすると文書を出していたことが同大関係者の取材で判明したということであります。不適切な行為で感染したなどと認められれば民法上の債務不履行に当たるとして無給にするというニュースは、びっくりしました。どこで感染したかなんて明確には分からないパターンが多い中でこういったことがされた中で、私だったら、即座に女子医大を辞めますね。こんな、ばかにしていますよ、働いて、前線で戦っている医者や医療従事者を。今日は文科省から来ていただいていると思いますが、これはどういうふうに対応されたのか。当然厳しく御対応されたんだと思いますが、そこをはっきり、ちょっと御説明いただけますか。

<鰐淵大臣政務官> お答えいたします。まず事実関係を申し上げたいと思いますが、御指摘の件につきまして、東京女子医科大学に確認をいたしました。同大学では、院内クラスターの発生等を防止するため、職員に対しまして、会食や外出の自粛を求めるとともに、自粛要請に反する行為により発熱等の症状が出た職員等については休業中又は自宅待機中の給与を無給とするとの説明を行ったと聞いております。本件に対する文部科学省の対応でございますが、大学の労務管理につきましては、一義的には各大学の判断において行われるものでございますが、労働基準法では、使用者の責に帰すべき事由による休業については、休業手当を支払うよう規定されております。また、発熱等の症状のある職員や濃厚接触者となった職員を使用者が休ませる場合、一般的には使用者の責に帰すべき事由に該当することとされていますので、文部科学省としましては、同大学に対しまして、労働基準法等関係法令にのっとり、疑義が生じないよう適切に対応すべきであると指導をいたしました。大学の方からは、今後適切に対応する旨の回答を得ているところでございます。文部科学省としては、これまでも各大学病院に対しまして適切な労務管理を行うよう周知をしてまいりましたけれども、本件を踏まえまして、引き続き、会議等を通じて周知を図ってまいりたいと思っております。

<吉田(統)委員> 政務官、しっかりやってくださいね。本当に、これはみんな辞めちゃいますよ。そもそも、本当に、勤務医がいなくなっていることが日本が医療崩壊を起こした原因ですから、勤務医がしっかりずっと勤務医でやっていただけるような仕組みを本当に力を合わせてやっていただかないと、これは大変なことになります。大臣に来ていただいていますので、またちょっと端的にお伺いさせていただきます。保育、介護、調剤とか、そういったところの公益的な部分を担う、時間がもうちょっとありますのでお伺いさせていただきたいんですが、坂本大臣、保育とか介護というのは、現場で働く皆さんというのは、なかなか本当に、十分な給与が得られませんね。看護師さんというのは、やはり今すごく人気があるんです。看護学校というのはむちゃくちゃ人気があって、やはりそれは、私は現場でいつも看護師さんによく会いますので聞くと、食いっぱぐれがないからとか、一般のサラリーマンより給与がいいからと、端的に、本当にそういうことをよくおっしゃいます、なった理由ですね。もちろん、医療、看護職への魅力というのもあるんでしょうけれども。そういう中で、保育、介護の人材を増やすためには、やはり給与とか待遇面をよくすることが一番の近道ですよね、当然ですけれども。そういう中で、なかなか現場の方に手が届かないわけですよ。経営者はもちろんもうけていただいて構わないんですけれども、ビジネスで。ただ、本来はウィン・ウィンに、経営者もウィンになって、そして、現場で働く保育士さん、介護士さん、介護従事者もみんなウィンになるような、そういったことをしなきゃいけない。医療というのは、医療法人というのがあって、理事長とか経営者がべらぼうにもうけることができないたてつけになっていますよね。ですから、保育とか介護に関しても、もっと具体的に、現場にしっかりと。いや、分かりますよ、ちゃんとルールをつくって皆さんがやっていただいているのは分かるんです。それでもなお、やはり大臣、なかなか現場に届かないんですね。そこを大臣、今後どのようにされていくかということを、ちょっと御説明いただけませんでしょうか。

<坂本国務大臣> 保育士の皆さんたちの処遇改善は本当に大事なことであるというふうに思っております。そういうことで、平成25年度以降は、月額4万4千円に加えまして、平成29年度からは、技能、経験に応じまして、月額最大4万円の処遇改善をしてまいりました。その処遇改善を始めました平成25年度と比べまして、6年間で、全国平均で約54万増加しておりまして、一定程度、処遇改善の効果は出ているというふうに思っております。それから、理事長や施設長が不当に高い報酬を得ているのではないかというような委員の思いもあられると思いますが、そこまではないというふうに考えております。いずれにいたしましても、高い使命感を持って保育士になられた方々が永続的に働けるように、今後も改善に努めてまいりたいと思います。

<吉田(統)委員> 間もなく時間なので、まとめて終わります。坂本大臣、ありがとうございます。私は別に、不当に収入を得ているとは言っていないですよ。それよりも、やはり現場の方にとにかく、だから、さっきも質問の前に申し上げましたが、収益を得てもらって結構なんですよ、もちろん経営者も。それはビジネスですから。ただ、より現場に落ちるような仕組みをつくってほしいということを申し上げている。また次回議論をさせていただきたいと思いますので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

以上内閣委員会での質疑の詳細でした。

私は、国民の皆様が安心・安全に暮らすことができる社会を構築するため、これからも、政府に訴えていきます。皆様のお声をお寄せください。

衆議院議員 吉田つねひこ 拝

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