新憲法下で200回目の節目となる、第200回国会 臨時会が12月9日、閉幕しました。今国会の期間に安倍晋三首相の在任期間が桂太郎元首相を超え、憲政史上最長となりました。一方で、関電の金品授受、大学入学共通テストをめぐる諸問題、全世代型社会保障検討会議の議事録削除、さらに、「桜を見る会」をめぐり首相自らの公職選挙法違反が疑われるなど、長期政権の腐敗ともいうべき問題が次々と浮上し、安倍首相は野党・国民からの真相解明の声から逃げ続けた国会でもありました。
特に大学入学共通テストの問題では、英語民間試験制度の活用という結論に至った意思決定の経緯が不透明な中で、遂に野党が求めていた導入延期を文科省が決定しました。また、数学及び英語における記述式試験の導入をめぐっても採点をめぐるコンサルと採点請負機関の利益相反が指摘される上、50万人もの受験生の記述式解答をミス無く完璧に採点できるかの疑念が払しょくされず、既に与党内からも見直しの声が上がっています。私吉田つねひこは引き続き導入中止を強く求めて参ります。
一方、「桜を見る会」の問題においては、第二次安倍内閣以後、参加者数と支出額が急増しています。加えて、本来の目的から離れ、安倍首相の後援会をはじめ政府与党の支援者が多数招待され、反社会的勢力がこともあろうに首相の招待枠で参加していた畏れがあるなど、次々に疑惑が浮上しました。
また、全世代型社会保障検討会議の場において、経団連の中西会長が「在職老齢年金制度」の見直しに際し前提となる高齢者の勤労意欲について『政府の見解と異なる意見を述べた』ところ、この発言が議事録に掲載されず、発言そのものを隠蔽しました。こうした改ざんや隠蔽、捏造は、安倍政権の本質そのもので、まさに長期政権の弊害以外の何物でもなく、看過できるものではありません。
また、「新任の大臣の国会答弁が不安だから」との理由で法案の提出を絞り、私の所属する内閣委員会では給与法の改正のほか、内閣提出法案は一本もありませんでした。その一方で台風や豪雨の被害にあわれた方々のための補正予算は通常国会に先送りされました。
成立した法律や承認された条約のうち、日米貿易協定は、米国から輸入する農林水産品に対する関税がTPP並みに引き下げられる一方、わが国の最大の輸出品であり、わが県の基幹産業である自動車や自動車部品における米国の関税は撤廃されない不公平なもので、にもかかわらずトランプ大統領は来年以降さらに本格的な交渉を行うと発言したと伝えられています。
薬機法については、私吉田つねひこが民主党政権時代に取りまとめ役として立法作業に関わり成立した法律で、今国会の厚生労働委員会ではそれを更にブラッシュアップする改正がなされ、私も質疑に立ちました。その内容は多岐にわたりますが、医薬品等の販売に対する課徴金制度の創設や、世界に先駆けて開発された医薬品などに対する「先駆け審査指定制度」と、検証的試験の困難な医薬品に対する「条件付き早期承認制度」を法制化すること、また国民目線での調剤薬局の在り方などが軸となっております。しかしながら「先駆け審査指定制度」及び「条件付き早期承認制度」が一部安倍政権の腐敗と連動し、国民の健康を守る上でデメリットとなっているといった懸念も昨今アカデミアを中心に指摘されています。特に再生医療やゲノム医療にかかわる部分はアカデミアの皆様のご意見を拝聴し、今後も何よりも国民の皆様そして医師、全ての医療従事者、製薬関連の皆様の信頼を得られ、日本の医療を護り発展させる内容になるよう注視して参ります。
国の誤った隔離政策によって長年差別や偏見に苦しんでこられたハンセン病の元患者の家族に対し国が補償金を支払うとしたハンセン病家族補償法(議員立法)は、立法府の一員としてその責任を痛感しながらも、元患者家族の被害回復が進むことを期待しております。
わが党においては、今国会から国民民主党、社会民主党および会派「社会保障を立て直す国民会議」とともに共同会派を結成。衆議院における新会派「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」で臨んだ初めての国会でした。4党派による共同会派の議員数は120人で、第二次安倍政権発足以後、野党会派としては最大の人数となり、これまで以上に強力な布陣で安倍政権に対峙してきました。
私吉田つねひこは、先の国会まで委員を務めてきた厚生労働委員会での質疑に加え、内閣委員会にも活動の場を広げました。内閣委員会では、引き続き多くの医療・社会保障政策に関する提言を行うとともに、日本医療研究開発機構(AMED)の体制強化による真の医療研究の司令塔を確立し、わが国の科学技術水準の向上に努めていくことや、スマートフォンなどが出すブルーライトが体内時計を狂わせ、生活習慣病や悪性疾患の発生を促すことなどに加えて、子どもたちの成育や加齢に悪影響を与えることへの対策を求めてまいりました。バイオレットライトによる子供たちの近視予防および近視抑制施策も提言し、また、10月から開始された「幼児教育・保育の無償化」が、実際にはすべての人が無償になるわけではなく、制限付きの給付に過ぎないこと等を大臣に質してまいりました。今国会では野党の要求を政府与党が飲まざるを得ない場面も多く、こうした論戦が政府与党の歯止めとなり、政策を真に国益に資する方向へ向かわせるものと確信して、国会審議に臨んでおります。私吉田つねひこは毎国会で厚生労働関連では少なくとも議員立法を一つ以上成立させようと努力をしております。今国会では立憲民主党単独で提出をしていた産後ケア法案が与野党の合意が整い、母子保健法の一部を改正する法律案として成立したことも併せて報告いたします。
永田町では解散ムードも高まってきています。しかし、今国会では、一連の台風の被災地に対する補正予算も提案されていません。被災地をそっちのけで選挙を行うことは言語道断だと私吉田つねひこは考えますが、ともあれ常在戦場という考え方で、次は必ず愛知1区の小選挙区で勝利するという決意のもと、活動を続けてまいります。皆様におかれましては、引き続きのご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
衆議院議員 吉田つねひこ 拝