吉田つねひこ「政治が視えるメルマガ」の第64号です。
このメルマガでは、国会の流れ、政策の動き、私の活動などをお伝えします
テーマ : 日本の医療制度を名実ともに世界一にするために
~新設医科大学構想にもの申す~
― 第9回 ―
~はじめに~
前号まで6回に渡り、新設医大及び医学部定員増加政策を本当に国民そして
医療崩壊を食い止める為のものにする為の処方箋および現状のままの医師数
でも医療崩壊を食い止める為の処方箋について献策してまいりました。今号
では何度か触れてきた米国以外の諸外国の医師の適正配置に係る動向と事例
に関してご紹介したいと思います。
■医療崩壊を防ぐ処方箋:その7
<医師の適正配置に係る諸外国の動向と事例>
以下に諸外国の動向と事例を紹介いたします。
一般的には
1:専門医の認定
国レベルの基準に基づく研修修了を専門医認定の必要条件としている国が
多い。
2:研修医の配置
各分野での研修・配置ポストの上限が設定され、民間企業の就職ポストと
同様に、人気のある診療科や地域は競争も激しく、人員が不足している科
・地域にも人材が配置される。
3:開業に対する規制
国・地方政府が開業数を規制している国が多い。
という方向性を多くの国が持っています。
具体的に欧州の中心国家である二か国の事例を報告します。
【ドイツの例】
保険医の認定には、医師免許に加えて一般診療又は専門科目に関する所定の
卒後研修を修了していることが条件となっている。開業医については、保険
医需要計画に基づき、人口密度等に応じた各地域区分と、14の診療科ごとに
保険医として開業できる医師の定員が定められており、定員を10%以上上回
る地域・診療科では、原則として新規開業は認められない。
【フランスの例】
医学部生は卒業時に全国試験を受け、本人の希望と試験の成績に基づき各専
門診療科及び研修地域に適正に配置され、研修を受ける。医師は専門医と一
般医に区分され、専門医は専門診療科ごとに決められた期間(4~5年)の臨
床研修を行う。一方、一般医は約2年間の研修を受けた後、多くが開業医とな
る。一般医と専門医の診察科目は医療行為規定により厳密に規定され、同規
定に反する医療行為はできない。
これらの諸外国の政策と現状をも参考にし、日本の医療風土と将来の人口動
態、医療圏の変遷および医療需給や日本国特有の医療環境そして現場の医師
と患者の希求する医療の在り方等を踏まえた政策を今すぐに考えていく必要
があると考えます。
(次号に続く)
元衆議院議員 吉田つねひこ
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(2016年9月9日 記)
民進党愛知県第1区総支部長
元衆議院議員 吉田つねひこ