ÇHOMEブログ【国会】文部科学委員会にて法案質疑に登板 5月9日

【国会】文部科学委員会にて法案質疑に登板 5月9日

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私吉田つねひこは、文部科学委員会にて「学校教育法等の一部を改正する法律案」の法案質疑で登壇いたしました。

【デジタル教科書を使用することによる健康面への影響について】

<吉田つねひこ>光というものは、明かりともいいますが、人類の文化的かつ健康的な生活に大きく寄与してまいりました。しかし、強過ぎる光は当然人体に悪影響を及ぼすことがわかっています。例えば、自然な光である太陽光ですら、浴び過ぎれば、日焼け、熱傷、また皮膚がんの原因になることもよく知られているところでございます。当然、皆既日食なんかを直接目で見てはいけないというのは子供のころから習うわけであります。また、心理的な影響も当然、ポケモンショックとかそういったものも皆様御記憶に新しいかと思いますが、そういったものもあるわけであります。また、ある特定の周波数の明暗というのが、光過敏症、過敏性発作、後ほど申し上げますが、そういうものを起こすこともわかっています。今回の法案はデジタル教科書の導入が趣旨である、そのように聞いておりますが、万が一、この導入で子供の健康を害することがあってはなりません。そこでまず、その点を中心に質問させていただきたいんですが、これは御存知かどうかだけお答えいただければいいんですが、IT眼症というもの、よくネットでも出るんですけれども、それは御存知でしょうか。

<林文部科学大臣>すみません、先生のように御専門ではないので、ちょっとIT眼症というのは、多分、ITに眼と書くんでしょうか、ちょっと存知上げません。

<吉田つねひこ>インフォメーションテクノロジーですね。情報技術、これはいわゆるテレビゲームも含みますし、パソコンだとか全ての情報機器、そういった技術を含むわけですが、これを長時間あるいは不適切に使用すると生じる目の病気やそれに付随する体の変調、不調のことをいうのがこのIT眼症なんです。つまり、ITを使うことによって生じる、目を中心とした全身の不調、いわゆる社会問題になっているそういったものであります。IT機器の普及で、成人の方でも事務用のパソコンをずっと長時間座って、議員の先生方もそうかもしれませんが、そういった長時間の仕事をすると目が疲れるとか頭が痛い、そういった、目の症状だけじゃなくて全身的な症状を訴える方が増えています。このIT眼症という以外にも、VDT症候群、ビジュアル・ディスプレー・ターミナル症候群とかテクノストレス症候群、いろいろな言われ方をするものなんです。これは肉体的だけではなくて、精神的ストレスも言われているわけです。また、コンピューター画面を見ている、携帯電話もそうですね、スマートフォンやデジタル端末、そういったものから出る電磁波自体も体に悪影響、これは学術的には子供への影響の方が強いんじゃないかという説が唱えられていますが、そういったことも考慮しなければいけない。この法案が契機になって、子供さんがタブレットを中心としたIT端末をますます積極的にお使いになることが予想されるわけですが、ただでさえ、お母さんたちは、テレビを見過ぎちゃいけないよとか、パソコン、ゲームとかし過ぎちゃいけないよと言いますよね。目が疲れる、目が悪くなるんじゃないか、学校の成績も悪くなるんじゃないか、そういった影響も御本人というよりお母さん方、お父様方が心配されるわけですが、こういったデジタル教科書を使うとますますこういった心配や影響が危惧されると思うんです。その点に関して見解を、まず、全体的なそういった影響に関していただけますでしょうか。

<林文部科学大臣>文科省では、平成23年度から25年度にかけまして実施をいたしました学びのイノベーション事業におきまして、ICTの活用に伴う児童生徒の健康面への影響等に関する配慮事項について調査を実施しております。この調査の結果によりますと、タブレット端末や電子黒板を活用した授業の時数にかかわらず、目の疲れを感じた児童生徒の割合には有意な差が見られなかったところでございますが、一方で、電子黒板等の画面が見えにくかった、こういう場合については、目の疲れの変化にやはり統計的な有意差が見られるなどの結果が得られております。これらの調査結果も踏まえて、眼科の専門家からは、学校でのICTの利用時間程度であれば児童生徒の健康面へ影響は生じないと考えられるが、一方で、今、先生からお話ありましたように、タブレット端末や電子黒板を集中して見続けるとドライアイになりやすくなることから、授業では、タブレット端末や電子黒板を長時間集中して見続けることがないように配慮が必要であるということなど、健康面への影響についての知見が得られたところでございます。これらの調査結果や知見も踏まえまして、平成26年度に、文部科学省では、カーテンの利用、また照明の工夫等によるICT機器の画面の見えにくさの改善方策や、タブレット、PC等の画面を長時間継続して見続けないようにすることへの配慮等につきまして、「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」として取りまとめまして、各都道府県教育委員会等に周知するとともに、文科省のホームページに掲載して活用を促しているところでございます。文科省としては、こうした成果を踏まえつつ、児童生徒の健康への影響等が生じないように留意しながら、デジタル教科書の導入はやはり段階的に進めることといたしておりまして、本法案においても、デジタル教科書の使用態様については文部科学大臣が定めることとしておりますので、その中で、学校におけるデジタル教科書の適切な使用環境への留意を盛り込むことを想定しております。さらに、デジタル教科書の効果的な活用のあり方、導入に当たっての留意点等に関するガイドラインを策定する予定にしておりまして、その中で、児童生徒の健康面への影響が生じないように、これまでの知見等も踏まえた留意点を示すとともに、引き続き、デジタル教科書も含めたICTの使用による健康面への影響等の把握に努めてまいりたいと考えております。

<吉田つねひこ>大臣、ありがとうございます。大臣も先ほどドライアイというお言葉も使っていただいて、また、多分、先ほど大臣がおっしゃった専門家というのは、日本眼科医会か日本眼科学会、そういったところかと思います。その日本眼科学会、眼科医会も、やはりかなり子供のIT機器の使用に関しては警鐘を鳴らしておりますので、ぜひそこはしっかりと見ていただかなきゃいけないんですが、もうちょっと細かい質問を続けていきたいと思います。ドライアイや眼精疲労という話が今出ました。もう大臣はそういう言葉も御承知おきいただいているので、かなり踏み込んだ指導をしていただけると思いますが、例えばやはり光というものの脳や全身に対する影響というのはわからないわけですよね、今までしっかりとした統計はないわけですから。当初、導入段階において、時間ですよね、さっき長時間という話も大臣はおっしゃっていますが、具体的に、最初の導入に関してはどれくらいの時間を適正と考えているのかということをお伺いしたいんです。私は、やはり本来、最初、導入するなら一時間ぐらいが妥当じゃないかなと私個人としては思いますけれども、大臣、副大臣のお考えで、導入の初期に当たって、段階的というお話もありましたけれども、そういった中で、当初の予定としてはどれくらいの時間を想定されているのか教えていただけますか。

<林文部科学大臣>先ほど申し上げました、平成26年度に取りまとめました「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」でございますが、そこに、長時間にわたりタブレット端末等の画面を児童生徒が注視しないようにすることへの配慮について記載をしております。それから、そこにおいて、実は、厚生労働省が作成した、これは大人向けですが、先ほど委員からもお話のあった、VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン、これは平成14年の4月のものですが、ここに実は、パソコンでのデータ入力のような集中的な作業については、連続作業時間は1時間を超えないようにするとの目安が示されているということで、これをうちの方のガイドブックでも紹介しておるところでございます。文科省として、デジタル教科書の効果的な活用のあり方や導入に当たっての留意点等に関するガイドラインを先ほど申し上げたように策定する予定でございますので、その中で、児童生徒への健康面への影響を生じないように、これまでの知見等も踏まえた留意点を示すとともに、引き続き、デジタル教科書も含めたICT使用による健康面への影響等の把握に努めてまいりたいと思っております。

<吉田つねひこ>大臣、大人と子供はやはり違いますので、そこは留意していただかなきゃいけない。連続して一時間は子供には長いんじゃないですかね、大臣。私は、連続して一時間デジタル教材を使うというのはちょっと長過ぎると思いますし、私がさっき言っているのは、トータルで一日に一時間ぐらいにとどめてはいかがかと言っているんです。連続して一時間は、ちょっとこれは、大人と違いますし、行き過ぎかと思いますが、大臣、もう一度そこをお答えください。簡潔にで結構です。

<林文部科学大臣>御紹介したのは、大人向けの連続のところが一時間というのを紹介しているということでございます。授業は一時間はないと思いますし、その授業の中でずっとこれを使っているということはないとは思いますけれども、今、委員からお話のあったことも踏まえて、しっかりとガイドライン策定に生かしていきたいと思っております。

<吉田つねひこ>ぜひそこは御留意いただきたいと思います。時間がありますので、ちょっと先に進みますが、専門的なことで次々聞いていきますけれども、例えば色覚異常、色覚特性の異常というものをお持ちの方が、男の子だと大体5%います。女の子だと0.2%いるんですが、こういった子たちに対する、これは通告でもしっかり申し上げておいたんですが、やはり光だと、紙よりそういう方が見にくくなる可能性があるんですよ。そこに対して、私もいろいろなアイデアを出して通告をさせていただいたんですが、そういった方への配慮を簡潔に、大臣、お願いします。

<林文部科学大臣>この法案は、児童の教育の充実を図るために必要があると認められる場合にデジタル教科書を紙の教科書にかえて使用することができる、こう書いておりますので、今、委員からお話があったように、デジタル教科書を使用することが適切でない場合には、無理にデジタル教科書を使用させることは適当ではないというふうに考えております。タブレット端末等の画面の明るさを調整する等の工夫により、デジタル教科書を使用できるような場合も考えられることもあるわけですから、策定を予定している先ほど申し上げたガイドラインにおいて、まさに専門家の知見等をいただきながら、記載をしっかりと検討していきたいと思っております。

<吉田つねひこ>ありがとうございます。重なるのでこれは申し上げておくだけにしますが、網膜色素変性症という病気もございまして、これは、強い光を浴びると進行するんですね。失明に至る病気ですので、こういった子が必要以上にやはり目にダメージを与えることがないように、大臣、ぜひこれはしっかりと、今の話もあわせて、そういった目の御病気、特性をお持ちの方がいらっしゃいますから、そういった方への配慮はぜひお願いをしておきます。重なるので次に進みますが、あと、姿勢ですよね、大臣。タブレットやそういったものを見るときの体の姿勢、そういったもので、デジタル教材の端末を近見視、近くで見る癖がつくと、日本の国民病とも言える近眼、近視が進む可能性があるんですが、そういったことへの配慮もガイドラインとかにちゃんと盛り込まれていらっしゃいますか。

<林文部科学大臣>デジタル教科書を使用する際の姿勢が悪いと、タブレット端末等の画面が見えにくいことによる目の疲れや、無理な姿勢を続けることによる疲労が増す、こういうことが考えられますので、やはりデジタル教科書を使用する際の姿勢について留意するということは大変重要だと考えておりまして、先ほども申し上げましたが、必要に応じて画面の明るさ等をしっかり調整するということも工夫の一つとして考えられるというふうに思っております。一部、先ほど申し上げた、平成26年の「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」においてもこういうことを記載しておりますが、今後、デジタル教科書の導入に当たって策定を予定しているガイドラインにおいても、専門家の知見等もいただきながら、記載を検討してまいりたいと思っております。

<吉田つねひこ>ありがとうございます。せっかくこういった機会をいただいていますので、ちょっと健康に関する問題が続いて恐縮なんですが、これは大事なことですので、大臣、ぜひしっかりと御検討いただきたいんですが、次に、光全体という中で、ブルーライトが健康に影響を与えることを御存知だと思います。ブルーライトとは青い光ですね。これは短波長、波長の短い光で、エネルギーが物すごく強いわけです。網膜まで到達する、要は目の奥まで到達するわけですね。これがいろいろな影響を与えることがわかっているんです。例えば、まず、目単体の問題だと、ブルーライトが網膜というところに当たることによって網膜の加齢黄斑変性という病気を起こすことがわかっているんですよ。これは今、失明原因、欧米では1位、2位ですし、日本でもすごく上位に上がってきている。それに対する治療が、実はすごく薬が高いものですから、医療費を圧迫しているんですね、結構。ブルーライトによって活性酸素が発生して、こういった病気を起こす可能性があるわけですよ。これは、子供のころからブルーライトとかこういう光をずっと浴びると、当然リスクが上がっていくわけですよね。そういったことに関する配慮も、ちょっと御存知かどうかも含めて、ちゃんとしっかりと対応いただけるのか、お答えいただけますか。

<林文部科学大臣>私も、個人的な話になりますが、スマホをこの間改めてさわっておりましたら、就寝用のシフトというのがあって、ちょっと黄色くなる。ぼやっとした光になって、寝る前の時間ですか、それで寝つきがよくなるのかどうかはあれですが、そういうのがあるんだなと思って今質問をお聞きしておりました。まさに、寝る前にこういうデジタル教科書等の使用で強い光を浴びるということで寝つきが悪くなることへの懸念とか生活習慣の乱れへの懸念から、やはり家庭においてデジタル教科書を含めた情報機器の適切な使用を促していくということが重要であると考えております。先ほど来申し上げている平成26年のガイドブックにおいては、睡眠前のICT機器の利用を控えるという点も含めて、児童生徒の健康に留意してICTを活用してもらいたいとうことを促しております。デジタル教科書の導入に当たって策定を予定しているガイドラインにおいても、専門家の知見等もいただきながら、家庭においてのデジタル教科書の使用に関する留意事項についても記載を検討したいと思っております。

<吉田つねひこ>大臣、ありがとうございます。次の質問の部分を一部お答えいただいたんですが、大臣がおっしゃったように、青いライト、体の、サーカディアンリズムが狂うんですね。つまり、体内時計を狂わせるんですよ。専門的に言うと、メラトニンというものの分泌がふえると人間は眠くなるんですけれども、メラトニンの分泌を抑えちゃうんですね、青い光を浴びると。つまり、朝だと認識してしまって体が起きてしまう。そういった結果、不眠症だとか、あとホルモンバランスの変調、そういったものを起こすわけであります。例えば肥満や、実は糖尿病、睡眠障害の原因にも青い光はなることがわかっています。そうすると、大臣、自宅にデジタル教材を持って帰って、大臣も先ほどちょっとおっしゃっていただきましたけれども、それで夜遅くまで子供たちが勉強すると、体内時計が狂っちゃって、肥満の子が、日本もちょっとふえていますよね、大臣御存知のとおり。肥満の子がふえたり、場合によっては、二型の糖尿病を発生させる余地になってしまったりする可能性が高まるんじゃないかと思うわけです。つまり、帰宅後の使用等に関しても相当留意や指導いただかないと、医学的に、大臣さっきおっしゃっていただいたように、青い光を夜浴びるのはよくないんですよ。寝る三時間前にはもう浴びるのをやめなきゃいけないというのが、本来、医学的には正しいわけで、そこを大臣、ちょっともう一言、厳しくちゃんとそういう指導をすることと、家に持ち帰ってのデジタル教材の指導に関しても、これは多分ガイドラインに載っていないはず、まだ今検討されていない問題だと思うので、そこを御検討いただきたいので、ちょっとお答えいただけますか。

<林文部科学大臣>先ほど申し上げましたように、まさに今、委員からお話があったように、寝つきが悪くなるというんですか、今、専門的には、朝と間違えるということだというふうに教えていただきましたが、まさに寝つきが悪くなることや生活習慣の乱れ、朝と夜が混同されるということでしょうか。したがって、そういうことをしっかりと踏まえた上で、専門家の知見をいただいて、家庭におけるデジタル教科書の使用に関する留意事項をしっかりと検討していかなきゃいけないと思っております。

<吉田つねひこ>大臣、ぜひこれはしっかりと御検討いただいて、どちらかというとそちらの、学校が目を離しているときですよね。自宅での使用方法というものを相当しっかりフォローしていかないと、今みたいな問題が起こるわけです。更に言うと、大臣、実は、最近よく知られた知見なんですけれども、深夜勤務したり、要は、看護師さんとかCAの方みたいに、生活リズムが非常にコントロールしづらい仕事をしている女性というのは、このブルーライト等々の影響で乳がんがふえているんですよ。これは、よく知られた事実に最近はなりつつあります。要は、ホルモンのバランスを崩しますし、それぐらい影響があるということをぜひ認識していただきたいんです。デジタル教科書というのは、初等教育から中等教育、そしてこれからは高等教育までずっとふえていくのだとは思いますが、その中でこういった啓発や留意をしていかないと、もう一度申し上げますけれども、乳がんは日本もふえていますから、女性でそういったリスク、男性もですよ、男性も乳がんはあります。しかも、男性の乳がんの方が予後は悪いですから、委員長御存じのとおり。委員長お詳しいのであれですけれども、男性の乳がんはすごく予後が悪いですから、そういった意味でも、そこも、大臣、本当に、今いろいろお答えいただいて、しっかりと御理解いただいていると信じていますけれども、学校の中だけじゃなくて、御自宅に帰ってからのデジタル端末の使用、特にやはり初等教育においては、啓発、教育、指導しないといけないと思うんですね。ここをちょっともう一回はっきりと、そこをしっかり指導していただくというお答えはいただきたいんですけれども、お願いします。

<林文部科学大臣>ありがとうございます。繰り返しになってしまうかもしれませんが、先ほど申し上げたように、平成26年のガイドブックにおいても、児童生徒の健康に留意してICTを活用するということを促してはおりますが、今回、デジタル教科書を改めて導入ということでございますので、今、委員からお話のあったような専門家の知見をしっかりといただいて、家庭におけるデジタル教科書の使用に関する留意事項について記載をしっかりと検討していきたいと思っております。

<吉田つねひこ>ありがとうございます。しつこくて申しわけなかったですけれども、しっかり何度かお答えいただいたので、きっとしっかりとしたものができ上がるんだと思っております。あと、健康の問題に関しては、最後もう一問だけちょっと念のために聞いておきますけれども、代表的な反射てんかん、てんかんというのは、大臣も副大臣も御存知だと思うんですけれども、実は、光過敏てんかんというものがあるんですよ。反射的に光によって、さっき言ったように、同じ周波数のちらつきとかそういうものが誘因になることが多いんですが、こういった児童がいた場合に配慮が必要だと思うんですけれども、万が一、そういった既往がなくても初発は起こるわけですから、そういったことが起こっちゃった場合、デジタル教材が原因だと考えられる場合は、どういった対応やどういった責任の所在で対応されるのかということをちょっと最後にお答えいただけますか。

<林文部科学大臣>デジタル教科書については、やはりプラスとマイナスの両面の効果や影響等を持ち得るということを理解した上で、まさに段階的に導入を進めていくことが適当だと考えております。したがって、この法案においても、児童の教育の充実を図るために必要があると認められる場合に、デジタル教科書を紙の教科書にかえて使用できるようにすることとしておりますので、まさに今、先生からお話がありましたように、健康上の影響とかそれから学習上の支障が生じた場合にはその使用方法を見直して、結果的には中止することも含めて判断することが必要である、こういうふうに考えておりまして、これについても、デジタル教科書の導入に当たって策定を予定しておりますガイドライン等を通じて周知徹底してまいりたいと思っております。

【デジタル教科書を使用することによる児童生徒への学びの充実の利点とか教育上の効果について】

<吉田つねひこ>次に、デジタル教科書を使用することによって、児童生徒への学びの充実の利点とか教育上の効果について伺いたいと思うんです。まず、恐らく、今回の導入に当たって、各学校現場、つまり担任の先生等の判断でデジタル教材の使用頻度は決まるんですよね。そのように聞いておりますが、全ての授業時間の中でデジタル教材を使っていく先生もいらっしゃるでしょうし、全く使わない先生も出てくるんじゃないかなと思うんですけれども、そのあたりを文部科学省としてはどのように指導若しくはモニターをしていくのかということを教えていただきたいんです。

<丹羽副大臣>お答えいたします。デジタル教科書の使用形態につきましては省令で定めることといたしておりますが、まずは、紙の教科書が主として使用されることとなっております。デジタル教科書の使用は教科の一部に限りながら、基礎的な、基本的な教育内容の履修を保障できることを国として検証することが必要であると考えております。したがって、教育課程の一部の範囲を含め、デジタル教科書の使用体系につきましては、具体的に省令やガイドラインで示していきたいと考えております。

<吉田つねひこ>では、副大臣、全く使わない先生がいちゃってもしようがないし、ずっと使いっ放しの先生がいちゃってもそれはしようがない、現場に完全にお任せしちゃうという感じですか。

<丹羽副大臣>お答えいたします。デジタル教科書の設置につきましては、自治体や設置者の権限によってデジタル教科書を使用するという裁量も含めておりますが、例えば現場で、教員が高齢化によって、また、どうしてもこの授業においてはデジタル教科書を使うよりも紙の教科書の方がいいといった場合は、全く使用しないということもあり得ると考えております。

<吉田つねひこ>ありがとうございます。では、副大臣、紙と全く同じデジタル教科書の導入と聞いておりますが、これは自宅に持ち帰ってもいいんですね。

<丹羽副大臣>御質問ありがとうございます。デジタル教科書を自宅に持ち帰り、家庭学習において使用できるかどうかにつきましては、例えばタブレット端末が一番いい例だと思うんですが、タブレット端末の整備状況等を踏まえ、先ほど申し上げましたとおり、校長や設置者において適切に現場において判断されるものだというふうに考えております。なお、家庭での学習のタブレットの使用につきましては、例えば佐賀県の武雄市においては、児童生徒がタブレット端末を家庭に持ち帰って学習を行っている例があるということも承知いたしております。

<吉田つねひこ>そこは、まだ今後ということですね、副大臣。要は、勝手に持ち帰っちゃったりすると、さっき申し上げたように、教科書、全部入っていて便利ですから、例えば寝転がってベッドでタブレットを使って勉強なんていう子、絶対これは出てきますし、勉強が得意な子に限ってそういうことをやるかもしれませんし、そうすると、さっき言ったように、就寝3時間前は本来使わない方がいいという中で、肥満とかIT眼症、糖尿病、睡眠障害、そういったことを起こす可能性があるので、副大臣、そこはぜひ指導をしっかりとしていただくことをお約束いただきたいと思います。では、実際の成績に関してちょっと教えていただきたいんですね。学習効果、つまり、大臣、副大臣、これはいいものだからやろうと法改正をするわけですよね。つまり、学習効果が得られなければ、やめた方がいいわけじゃないですか。そうすると、私が調べたところで、2007年、和歌山大学で、31人に対して半年間調査研究をした。半年間31人、1クラスということですよね。そうすると、成績が上昇した科目と、逆に低下した科目があった、ちょっと具体的な資料は今手元にないんですが、あったと聞いております。文部科学省としては、デジタル教材の導入によって、短期的な学習効果と長期的な学習効果は両方大事だと思います、短期で効果が出ても長期で効果が出なければこれはよくないわけであって、両方において学習効果が出なければやはり導入することは控えた方がいいと思いますが、長期、短期両方に、文部科学省としてしっかりとした学習効果のデータはお持ちでしょうか。あればお示しください。

<丹羽副大臣>お答えいたします。ICTを活用した教育の効果につきましては、例えば、児童生徒の学力テスト及び授業に関する意識調査の結果を比較した場合、授業においてドリル学習や各自が考えをまとめる際に、先ほど言いましたタブレット端末を活用した場合の方が、小学校においては、知識や理解、また思考、判断、表現、技能の観点において市販テストの成績が高いという結果が出ております。また、児童生徒の授業に対する評価が高く、新しい考え方を見つけたり、授業に集中して取り組むことができるといった傾向が調査研究からも見られております。しかしながら、デジタル教科書の使用と学力の関係につきましては、現段階では一概的に説明できないということでもございますので、文部科学省といたしまして、デジタル教科書の使用につきましては、教育上の効果、影響等を今後しっかり把握、検証していきたいと考えております

<吉田つねひこ>子供たちは画面とかテレビとか好きですから、最初は一時的に見入ってしっかりとした効果は出るかもしれませんけれども、長期的には、またちょっとこれは別の問題ですので、本当に、副大臣、大臣、省庁としてしっかりやっていただきたいと思います。今回の法改正で、デジタル教科書用のタブレットや端末、それぞれあるとさっき副大臣もおっしゃっていただきましたが、予算としてはどれくらいの予算がかかるのか、どのように文科省としては想定されているのでしょうか。また、デジタル教科書はまずは教科書会社さんがつくっていくと聞いているんですけれども、今後の、自由化がなされたりしたときのコンペティション、競争原理、そういったものはどのようになるか教えていただきたいんです。

<丹羽副大臣>お答えいたします。まず、デジタル教科書を導入するかどうかということも含めまして、導入する場合の費用負担につきましては校長や設置者において判断していただくこととなっておりますが、今回の法案において、文部科学省といたしまして、平成30年度から5年間にわたり、単年度約1805億円の地方財政措置を講ずることといたしております。また、その際、デジタル教科書を、実際価格としてどれぐらいになるかという御質問もございましたが、それは教科書発行会社において決定されることとなっておりますので、一概にこの値段でということは文部科学省としてお答えすることはできないと考えております。

<吉田つねひこ>副大臣、後段のコンペティションのことも軽く触れていただきましたけれども、そうすると、適正な金額で、適正に競争、ある程度の競争がありながら運営されるということに関しては、文部科学省としてはしっかり注視をしていくという理解でよろしいですよね。

<丹羽副大臣>お答えいたします。現在販売されていますいわゆるデジタル教科書に関しては、例えば中学校の国語や英語等につきまして、学年ごとに一人当たりおおむね数100円から1000円程度で販売されているということは文部科学省として承知いたしておりますが、余りにも適正でない価格のデジタル教科書が販売されるとか、そういった場合においては、文部科学省としても、しっかりとそういった事実を把握していきたいと考えております。

<吉田つねひこ>わかりました。副大臣、先ほど、地方財政措置をなさるということを言っていただきました。その中で、私はちょっと心配するんですが、デジタル教科書のタブレットや端末の供給という点で、例えば離島にお住まいの児童たちや山間部にお住まいの児童に対して、一般の都会の方、子供たちに比べて不利な供給状況になるというおそれはありませんか。大丈夫ですか。

<丹羽副大臣>現在、文部科学省におきまして、新学習指導要領を見据えて、学校において最低限必要とされ、かつ優先的に整備すべきICTの機器等に関しまして、昨年の12月にICT環境の整備方針を策定したところでございます。そういった中、この方針を踏まえて、教育のICT化に向けた環境整備5カ年計画に基づきまして、委員おっしゃられたように、離島も含めて、全国的に学校のICTの環境整備を進めていくことができるように、先ほど、平成30年度からの地方財政措置も含めた予算措置を講じたところでございます。

<吉田つねひこ>ありがとうございます。副大臣、大臣もしっかりとお答えいただいて、重ね重ねの質問で大臣には申しわけなかったですけれども、大事なことなので何度も確認させていただきました。最後に、もう質問時間は終わっておりますので、健康、そして教育、両面、このデジタル教科書、やはり影響をしっかりと注視していただいて、長期的なフォローアップもしっかり万全の体制でしていただいて、日本国の宝である子供たちの学び、健康、それを第一に考えて、慎重かつ段階的な導入をくれぐれもお願いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

 

以上、文部科学委員会での法案質疑の報告でありました。

私は、国民の皆様が安心・安全に暮らすことができる社会を構築するため、これからも、政府に訴えていきます。皆様のお声をお寄せください。

衆議院議員 吉田つねひこ 拝

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