ÇHOMEブログ【国会】厚生労働委員会:水道法の一部を改正する法案質疑 6月29日

【国会】厚生労働委員会:水道法の一部を改正する法案質疑 6月29日

 

私吉田つねひこは、厚生労働委員会にて「水道法の一部を改正する法律案」の法案質疑を行いました。

詳細に関しましては、下記をご参照ください。

<吉田つねひこ>おはようございます。立憲民主党の吉田統彦でございます。本日議題になりました法案に関して、初鹿委員がお話しになられたところは割愛をさせていただきながら、やはりコンセッション方式、民間委託を中心に議論をさせていただきたいと思います。確かに、老朽化する水道インフラと、国、自治体が直面している財政難、その突破口として日本の水道を全て民営化しよう、そういったお考えでなさっていっているのではないかと思います。ただ、水道を民営化した多くの国々では再民営化が、先ほど来お話があるように、起こっているのはもうご存知だと思います。法律で定められた耐用年数40年を過ぎた水道管というのは38,000㎞位あるんでしょう。これも、更に今後増えていくわけであります。こういった老朽化した浄水場やダムの更新、修繕のためには、今後50年で50兆円を超える額がかかるとも、もう大臣ご存知だと思いますが、言われています。そういう中、人口も減って、税収が減ってきている、国、自治体に余裕がなくなってきている。また、水源開発の水道事業の負債もたしか、10兆円を超えていますよね。こういった転換期を迎えているわけであります。なので、今回、法案自体は非常に大事なことを多く含んだ、そのように承知しております。ただ、公的機関が、公営で行われてきたものを民間にするということ、そもそも水道事業といのは、なるべく安い料金でサービスを提供するために、基本的にもうけないというようにしてきた事業ですよね、公的機関が。だから公的機関が運営をしてきた。それを、企業が儲かるモデルに変えるときというのは、そのやり方は当然限られてくる。国際的にはどういうことがポイントになっているかというと、儲けるためのやり方というのは、水道料金を値上げする、水消費を増やす、これが一番目です。二番目に、労働者を減らす、非正規に置きかえる、これもよくやられています。それで、三番目に、税金で補填する。これが世界の民営化で起こっている実情なんですが、まず大臣、このことに関してコメントをいただきたいと思います。

<加藤厚生労働大臣>一つ一つの事例を承知しているわけではないので、なかなか、このケースはこうだという議論はしにくいのでありますけれども、しかし、まず一つは、我々、民営化を全面的にやろうとしているわけではなくて、その地域地域の状況に応じて、一つのそうした、しかも、今回提出させていただいているのは、地方公共団体は引き続き水道事業の継続に責任を持つ、あくまでも地方公共団体が水道事業者である、そういったことを前提に法案をまず提出をさせていただいているということが一つあるというふうに思います。それから、これまでの様々な民営化を見たときに、全てが失敗しているわけではないんだろうというふうに、日本の中においてもですね。ですから、それはケース・バイ・ケースということもあるんだろうと思いますし、成功している部分と、そうでなかった部分もあるのかもしれません。そういったことも含めて、先ほど初鹿委員にも申し上げましたけれども、今回は、海外での水道事業の再公営化事例、そこでうまくいっていなかったその課題、それらも我々なりに分析をし、そうしたことにも対処し得る、そういった枠組みの中で今回の法案を提出させていただいている、こういうことであります。

<吉田つねひこ>委員 大臣、おっしゃることはわかるんですけれども、昨日のレクでかなり細かく、私、通告をしていますので、やはり、気になるところを細かく委員会で審議することが、この法案がいかに大事かというのを国民の皆さんにわかっていただくし、また安全だということをわかっていただくためなので、大変恐縮ですが、大臣、細かく、私、昨日かなり細かく言ってあります、だから、そこはちょっと答えていただきたいと思います。では、ちょっと具体的なもので、大臣が今聞いて、ちょっと後ろで役所の方とお話ししても結構ですが、答えていただきたいんですが、例えば、南アフリカの事例で、悲惨なことが起こっているんですよ。民営化された後、全てのコストを水道料金に反映するフルコストリカバリーという制度が採用されまして、貧困家庭の多くは収入の何と30%を水道代に割いていた。その結果、料金を払えなかった約1,000万人が水道をとめられて、汚染した川で水をくんでコレラが蔓延した。クワズールナタール州だけで12万人が感染、300人以上が死亡した。しかし、このとき、民間の水道会社は何もしなかった。結局、政府が給水車を出したり、そのコストを全部補填したということで、何のための民営化だったかわからない事例が起こっています、南アフリカ。イギリスは1989年から水道の民営化をしていますが、10年間で水道料金がどんどん値上がりして、水質検査の合格率、85%以下に下がってしまった。漏水件数もふえて、何百万人もの方が水道をとめられたという事例がある。しかし、その間、何と株主配当や役員特別報酬は普通に、民間の会社ですから払われていた。フランスです。さっき初鹿委員も言いましたが、二大メジャー、スエズ社やヴェオリア社というのは、フランス・パリが本拠地です。1985年から2009年までの間に、水道料金は265%上昇したという事例があります。うまくいっている事例というのは逆に少ないというふうに思えるのです。水道の民営化というのは地域独占で行われます。だから、市場経済じゃないですから、企業が料金を値上げしたいと言ったら、それをとめるすべが非常に少ないわけです。パリの場合、30%の収益が企業内部留保金になったというようなデータもあります。また、1999年、ブレア政権となって水道料金の引下げが行われた。それで何が起こったかというと、経営が悪化した民間企業は、次々に外国資本に買収、合併されていった。水道事業は金融ギャンブルの投機対象のようになってしまったなどという指摘があるんです。こういった南アフリカ、英国、パリという事例を見て、大臣、いかがお考えになりますか。

<加藤厚生労働大臣>例えば今、料金の話がありました。今回は、日本の仕組みでは、適正な利用料金を維持するため、まず、PFI法に基づき、地方公共団体が事前に条例で基本的な料金の枠組みを定めることになっているわけであります。加えて、今般の水道法改正法案においては、厚生労働大臣も、原価を適切に算定して適切に利用料金を設定していることを確認する、そういう仕組みになっております。それから、先ほど水道水の安全という話もありましたが、水道法に基づく水質や水道施設の基準を満たしているか、これは厚生労働大臣が直接コンセッション事業者に対して報告徴収、立入検査を実施する仕組みにしているわけでありまして、本来、水道事業者であれば、もちろん厚労省はそういった権限がありますけれども、こうしたコンセッション事業者に対してもそういったことがやれるという仕組みになっております。また、サービス水準を確保するため、厚生労働大臣が、地方公共団体のコンセッション事業者へのモニタリング体制が専門的な知見や知識を有する者により適時適切に実施できる体制になっているか、これを確認する、まさに地方公共団体の管理がちゃんと行き届き得るようになっているか、それも確認した上で許可をする。こういう仕組みを入れることによって、先ほど申し上げた、これまで海外において起きてきた、結果的に再公営化しなければならなかった、そうした問題点、それに対応する仕組みにさせていただいております。それから、私ども全てを承知しているわけではありませんけれども、1998年から2011年の間にフランス国内で契約された事業、ちょっと古いあれになりますが、約97%は民間事業者との契約が更新をされている、そういうことにもなっているということも一方であるんだろうと思います。

<吉田つねひこ>フランスも、そうですね、パリはあれですけれども、場所によっては。ただ、全体的にまた再公営化の動きがどうもフランス全体としてはあるらしいですけれども、私が聞いている範囲では。大臣、ちょっとまだお答えいただいていないんですが、例えば、株主配当とか役員特別報酬、コンセッション方式で委託されたところ。やはり、水道料金の値上げをどんどんする一方で、株主配当や役員特別報酬を支払うなんということが起こらない、また、漏水や水質検査で著しく問題が起こってくる中で、そういう株主配当、役員特別報酬などを払うということは、基本的に大臣が指導して許さないということでいいんでしょうか。

<加藤厚生労働大臣>イギリスでそういう事例があったと今お話がありましたけれども、我が国で今回コンセッション方式を提案、今回のコンセッション方式でありますけれども、PFI法に基づき、公共施設の管理者である地方公共団体が、施設整備を含む業務の範囲、サービスの水準、水道料金の上限、料金の上限ですね、などの枠組みを事前に条例等で定めるということでありますから、それを超えて上げるということにはならない仕組みになっております。その上で、地方公共団体は、料金の設定に関与することやコンセッション事業者の役員報酬等を含む財務状況について、これをモニタリングすることになっておりますので、そうしたモニタリングを通じて水道料金や民間事業者の役員報酬が極端に高くならないように対応していける、こういうふうに考えております。

<吉田つねひこ>ありがとうございます。そういったことをしっかりとやはりやっていっていただかないといけないのかなと思います。少し初鹿議員からも触れたんですが、水道事業というのは、24時間安全な水をずっと出していかなきゃいけない。大変なことですよね、本来的には。それを企業がやると、厳正に選ばれた企業だとは思うんですけれども、やはり困難になってぱっと撤廃してしまう、急遽撤退してしまうなんということが、会社ですから、ある可能性があるわけですが、急に、もう今月でできませんだとか、そういったことに突然なってしまった場合、極めて急な撤退に対して、この法案では、復旧やその後の維持に関してはちゃんとした仕組みはできているんでしょうか。

<高木副大臣>まず、コンセッション方式を導入する場合には、地方公共団体がコンセッション事業者の業務、経理の実施状況等に関しまして四半期ごとに報告を求めるなど、定期的にモニタリング、報告徴収、実地調査をすることになっておりまして、事業継続が不可能になる前に対処することが重要と考えております。このため、今般の法改正におきまして、厚生労働大臣が、地方公共団体のモニタリング体制が専門的な知見や知識を有する者により適時適切に実施できる体制となっているかを確認した上で、許可することとしております。加えまして、許可の際には、厚生労働大臣は、地方公共団体がコンセッション事業者の事業継続が困難となった事態をあらかじめ想定しまして、迅速に事業の継続体制を構築できるよう、その対応方法につきましても確認をすることとしております。

<吉田つねひこ>前段は大臣がさっきおっしゃったことなので、副大臣、最後のところですよね。だから、ちゃんとそれは即日対応できるように地方自治体が責任を持つという理解で、副大臣、よろしいですよね、今の御答弁。はい、わかりました。引き続き、では、2013年ごろだと思いますが、麻生副総理が日本の水道を民営化するとおっしゃったんじゃないかなと思うんですけれども、ちょっと私も、ごめんなさい、正確ではないかもしれませんけれども、そういう御発言をされたと仄聞を実はしているんです。水道の再公営化というのが世界中で起こっているという話をるる先ほどからお話しさせていただいていますが、フランス・パリは、2010年に水道を再び公営化していますね。そのときに、オブセルバトワールという組織を設立して、市民が代表となって、こういう水道事業というか水問題を議論する場がつくられたそうです。その結果、企業秘密だった投資計画、財政計画も公開された。実際、どうも、これも私はちょっと資料で見ただけなので正確かどうかわかりませんが、45億円のコストを削減して、8%水道料金を下げた。こういったことがよく、これはパリの事例らしいんですが、されているそうです。ブラジルのポルトアレグレでも、参加型予算といって、市民たちが区域ごとに公共事業の優先順位を話し合って決めていて、こういった水のこととかいろんなことをやっている。世界の潮流としては、こういう市民参加型の再公営化や若しくは市民参加型の公営維持というものがどうも潮流となって動いているようでありますが、こういった動き、まだ一部だとは思うんですけれども、私が知るところではかなり、86カ所ぐらいの地域というふうに聞いていますが、ちょっとこれは正確かどうかは、私も自分自身で調べた例なのでわかりませんが、こういった動きに関して、ちょっと御所見をいただけますか。

<加藤厚生労働大臣>大臣 、その市民参加型というのは、どういう立場で参加するのか。日本の場合には、例えば水道事業者は大体地方公共団体でありますから、その地方公共団体の議会を通じて様々なチェックがなされる、そしてその議会は住民から選ばれている、こういうような形になっておりますし、また、今回私ども申し上げているのも、あくまでも市町村が水道事業者でありますから、そういった意味では、住民を代表する議会の同意に基づいてこうした事業の経営が行われるというふうに思います。ただ、やはりもう一つ大事なことは、市民なのか、その水を使っている人という意味での市民なのかもしれませんけれども、やはり水道事業というものに対してしっかり見て、関心を持っていただく、そして、関心を持っていただくためには、必要な情報が提供されていくということが大事だと思います。現在でも、分析によれば、実際、本来独立採算を原則としているわけでありますけれども、ランニングコストすらうまく賄えない、あるいは、さらには、長期的なコストも考えると更に赤字である、そうした事業体も結構あるわけであります。そういった流れの中で、さらには、これから収入も人口減によって減っていく、そういった事情ということをやはりそれぞれの皆さんが理解をした上で、どうすべきかということを考えていただく。そういった意味においても、今回の改正案で、水道施設の計画的な更新や、長期的な収支の見通しを作成し公表することに関して努力義務、これを課しているわけでありまして、こうした情報公開ということが住民の皆さん方あるいは利用者の方々の関心を生み、またそれを通じて健全な経営といったものにつながっていくということも、我々はぜひ進めていきたいと考えております。

<吉田つねひこ>大体、おっしゃることはわかりました。大臣、そうすると、一つの、先ほどはこういった事例があるという説明で、更に申し上げると、コンセッション方式というのはそもそも今でも可能になっていますよね。それは後ほどお伺いしますが。そのいわゆる受託する側に関して、先ほど来、しっかり審査をしてということですが、例えばこういう事例があるんですよ、大臣。英国の中のウェールズがあります。ここは、実は非営利事業団体が、もともと米国資本でされていた水道事業を買収して、非営利形態で、利潤を全て再投資に回すという運営をしているそうなんです。これはある意味、理想的な姿にも映るんですが、今回、日本の今法案でも、非営利の法人だけとは言わないですけれども、そういったところが優先的に参入できるようにするような仕組みとか、そういったものはお考えになりませんでしょうか。

<加藤厚生労働大臣>まず、先ほどから申し上げているように、これでこういうことをやりなさいということを申し上げているわけではなく、選択肢の一つとしてこういう仕組みをさせていただいているということであります。その上で、これまでのコンセッションは、今、地方公共団体が水道事業者であることを返納して、そして民間が受けるということになっているので、これで進んでこなかったということで、引き続き地方公共団体が水道事業者でありながら、その運営を民間に委託をしていく、こういう仕組みの中で、先ほどるる説明させていただいているような、様々な他の国での課題等も念頭に置きながら仕組みをつくらせていただいている、こういうことでございます。そうした意味で、これから、非営利というお話がありましたけれども、非営利かどうかは別として、地元のことをよく知っておられる企業、地元の状況がわかる、やはり水道事業でありますから、そういった意味においては、そうした地元の企業等々が積極的に参加をしていただく、そういった方向が私は望ましいのではないかと。しかし、やるときにこうでなきゃいけないと一律に規定するつもりはありませんけれども、地元等の事情等を知っていただく、やはり水道事業というのはそういったこともよく周知をして、知っていただくことが大事だと思いますので、そういったことも考えていく必要があるんだろうなというふうに思います。

<吉田つねひこ>大臣、先ほど来、こうしろとおっしゃっているわけではない、それはわかるんですけれども、ただ、大臣、これはすごく重要なところですよね。大臣がおっしゃることはわかるんです。大臣が、これをしなさいと、みんなに全部民営化しなさいと言っているわけじゃないですよね。しかしながら、一部民営化されるとしたら、そこはすごく耳目も集中するし、本当にその安全性、水というのは、人間の体はほとんど水でできていますし、御飯を食べなくても一カ月水を飲んでいれば生きますけれども、水を飲めないと72時間で人間は死亡しますよね。それくらい水は重要。だから、72時間はゴールデンタイム、災害のときに72時間経ってしまうと生存が難しい。それぐらい水は大事だし、先程の話も、言ったように、昔、戦前なんか、井戸だと毒物を混入なんという噂が起こったりとか、それぐらい人間のライフラインの最も重要な部分ですから。ここは、全部をそうしろと言っているわけではない、大臣の言葉はわかるんですけれども、だからこそ、やるとなったら、そこはしっかりと、しっかり説明はいただいていますけれども、監視をしていただくこと、やはり有事のときに備えていただくということは大事なので、大臣、そこはひとつよろしくお願いします。例えばベルリンなんか、大臣、再公営化したときに、企業が途中で放り出しちゃったわけですけれども、再公営化するに当たって、水道料金はぼんと上がっていますので、ベルリンも。企業というのはやはり利潤を生まなければやめちゃいますから、そういうときに、また公が戻すときもあり得るわけですよね。だって、それを大臣が無理やり、もっと続けなさいとは言えないわけです。だから、そういったこともやはり十分に備えていただかなきゃいけないと思います。引き続き、法案の趣旨に関して説明を求めてまいりたいんですが、本法案で、早期の収支見通しを作成して、施設の計画的な更新、耐震化を進めるというようなことが、説明で厚生労働省からいただいたんですが、本法案でそれが早まるんでしょうか。その根拠というのは、これはもうそのまま私はレクのときにお伝えしてありますので、ちょっとお答えいただけますか。

<高木副大臣>お答えいたします。施設の計画的な更新、耐震化に向けまして、今般の改正案におきましては、水道事業者等に、一つは、水道施設台帳の作成や保管、水道施設の点検や必要な修繕等の義務づけ、また、水道施設の計画的な更新、更新費用を含む事業の収支見通しの作成や公表の努力義務を規定しまして、水道事業者におけるアセットマネジメントの取組を推進することとしております。委員御指摘のとおりでございます。これによりまして、水道事業者等が、中長期的な観点から必要な財源を確保した上で、施設の更新や耐震化を着実に進めることにつながるものと考えております。平成28年度における管路の更新率は0.75%でございまして、これを前提に、現在埋設されている水道管を全て更新するために要する期間を単純に計算しますと、約130年と考えております。水道事業者が置かれた状況、事情が異なるために、法案によりまして管路の更新率がどの程度上昇するかを予測することは難しいことでございますが、厚生労働省といたしましては、改正法を着実に施行するとともに、水道管路の耐震化等に対する財政支援などを通じまして、管路の更新が一層進むよう取り組んでまいる所存でございます。

<吉田つねひこ>委員、微妙に私の質問と焦点がずれながら、二問合わせてお答えをいただきましたので、まあ、それはよしと申し上げますけれども。副大臣、ちょっと簡潔に答えてほしいんです、これは大事なことなので。130年という数字、水道というのは布設をし始めてからそんなものなんですかね、そもそも。もうちょっと短いですよね。ですよね、大臣。何でここからやり直すというか、更新すると130年という数字が出るのかということは、非常に疑問なんですよね。もっと本当は短いんじゃないかなと思えてしまうこともあるし、逆に、何かの理由でもっと長いのかもしれないんですが。簡潔にお願いしたいんですが、130年の根拠を教えていただけますか。

<高木副大臣>管路の更新率が平成28年度におきましては0.75%と考えますと、全て更新するために要する時間、期間を単純に計算しますと、100割る0.75ということでございまして、133.33、約130年という計算でございます。

<吉田つねひこ>単純な割り算はちょっと当てになりませんね。ちょっと恐縮ですが、それはちょっと、余りデータとして引用するのはどうかなと思ってしまいますので、今後もうちょっとしっかりとやっていただかないといけませんね。それで、続きですけれども、主に市町村単位で運営されている、水道事業を。これは多くの水道事業が小規模で脆弱である現状というのを、やはり御説明でいただいていますよね。その現状を本法案で改善できるという明確な理由を端的に、焦点をずらさずにぴしっと答えてください。

<高木副大臣>大臣、恐れ入ります。御承知のとおり、水道事業は、必要経費のうち浄水施設や管路等の設備投資に要する費用の割合が大部分を占めます。いわゆる固定費が多い装置産業でありまして、人口が減少したとしても必要経費には大きな変化がないため、小規模な水道事業者の場合、その影響が大きく、事業経営は今後より一層厳しいものになると考えられます。こうした小規模で経営基盤が脆弱な事業者につきましては、施設や経営の効率化、基盤強化を図る広域連携の推進が重要であると考えております。しかしながら、水道事業はそれぞれの事業基盤に格差があることから、住民や議会の理解を得ることを含めまして、広域連携の調整は非常に難しいという状況にあります。このため、この改正法案におきまして、都道府県に対して、広域的な水道事業者等の連携などを進める責務に加えまして、協議会の設置や、基本方針に基づく水道基盤強化計画の作成を法的に位置づけることとしております。こうしたことによりまして、水道の経営基盤強化のために必要な広域化を進め、脆弱性が解決できるものと考えております。

<吉田つねひこ>そのように、御計画されたようにいくといいですけれどもね。広域連携、結構難しいかなと私も思います。おっしゃったように、かなり格差がありますので、そこを相当配慮してやっていかないと、逆に、広域連携をする中で官民の連携が崩れてしまうなんということもあり得ないとも言えないので、そこはしっかりとやっていただきたいと切に願います。では、コンセッション方式、ちょっと聞きたいんですけれども、そもそも現行だと、大臣が先程少しお答えになっていますが、民間事業者に運営権を設定するためには、自治体が持っている水道法上の認可を一旦返上するんですよね、民間事業者が新たに水道法上の許可を取得することが必要となっています。改正法案でこの違いというのは、自治体が水道法上の認可を有したまま民間事業者に運営権を設定できるとなっていますが、そもそも、どうして、今でもコンセッション方式はできるし、それを進めるためにはほかのやり方もあるのかなと思う中で、なぜこの方法を選ばれたのかということを簡潔にお答えください。

<高木副大臣>ただいま委員から御指摘のとおりでございまして、こうした事情から、地方公共団体からは、不測のリスク発生時には地方公共団体が責任を負えるよう、水道事業の認可を残したまま運営権の設定を可能としてほしいという御要望がありました。多様な官民連携の選択肢を更に広げるという観点から、地方公共団体が水道事業者としての位置づけを維持しながら、厚生労働大臣の許可を受けることによりまして、民間事業者に運営権を設定できる制度を設けるということとしたものでございます。

<吉田つねひこ>まあ、そうですかというふうにしか、ちょっと答えづらいですね、今のお答えだと。まあ、わかりました。では、そうすると、ちょっと大事なことを何個か簡潔に説明を求めてまいりますが、不祥事が生した場合の責任というのは、つまり市町村にあるということでいいですかね。端的に。

<高木副大臣>おっしゃるとおりです。水道事業の最終的な給水の責任は、水道事業者である地方公共団体が負うこととなります。

<吉田つねひこ>さらに、これも簡単に聞きますが、水道法とPFI法というものに対する罰則は当然今回業者の違反に対して発生するわけですが、水道法、PFI法の範疇以外の違反行為に対する罰則とか、そういうのも簡潔に答えていただけますか。

<高木副大臣>一般的に、水道事業を受託する民間事業者が業務上遵守すべき法律としては、水質汚濁防止法、労働基準法などがあります。民間事業者がこうした法律に違反した場合は、その内容に対応する法律の罰則等の規定が適用されますし、契約に基づきまして、水道事業者は改善措置を指示するなどの対応をとることとなります。いずれにいたしましても、それ以外の、業務以外の倫理上等につきましてはこの範疇ではありませんが、最終的にはこうしたことを契約を結んでいる自治体及び議会が判断することと考えております。

<吉田つねひこ>時間がなくなってきましたので。事業所の収益、役員報酬、給与等は、条例等で水道料金を決めていくことで影響すると思うんですが、この辺の制限設定というのはあるんでしょうか。

<高木副大臣>利用料金の幅につきましては議会で、条例で制定することとなっておりますが、それ以外の、コンセッション事業者の役員報酬等を含む財務状況、これは、モニタリングすることによりまして、極端に役員報酬等が高くならないようできると考えております。

<吉田つねひこ>それで、民間事業者に委託した場合、水道料金というのは、海外の事例だと軒並み高くなっています。水道料金はあらかじめ条例で定めるといっても、民間事業者ですから、自社の収益最優先になって、条例で定めると上限額まで水道料金を引き上げてくる可能性が高いですよね。こういったことが本当に国民に対しての利益になるとお考えなのかということと、また、水道料金というのは、ある試算では、今後30年間で1.6倍まで引き上げないと、いろいろ修繕とか進まないというデータもいくつか拝見したことがあるんですけれども、厚生労働省というのは、こういう法律をつくるんだったら、水道料金算定についてのガイドライン等を先につくって同時にお示しするのが当然かなと思うんですけれども、そこをどう思われますか。

<高木副大臣>利用料金につきましては、先ほど来申し上げておりますが、地方公共団体が事前に条例で枠組みを決めることとなります。加えて、この法改正におきましては、厚生労働大臣も、原価を適切に算定して利用料金を設定していることを確認することとしております。仮に、やむを得ない事情によりまして、枠組みの範囲を超えて利用料金を上げる必要が生じた場合であっても、やはり議会において条例改正が必要となります。したがって、コンセッション事業者の一方的な意向によって利用料金の値上げができるわけではありません。また、今ガイドラインというお話がありましたが、類似の条件下に置かれた他の市町村の水道料金との比較などから、コンセッション事業者による利用料金の上限改定の要求が不当な理由なものであると考えられる場合は、地方公共団体は、事業者との契約を解除した上で、例えば、別の民間企業への包括委託などによりまして、水道事業を継続することとなると考えております。

<吉田つねひこ>もうそろそろ時間となりましたが、これは重要な問題で、私、実は、今約15問お答えいただきましたけれども、27問用意しておりまして、委員長、本当はもっといいディスカッションを引き続きしたいので、できればもっと時間をしっかりと確保していただいて、これは大事な問題ですから、後で、このとき議論がなされていたのに、再民営化になったところが頻発して、結局何だったんだということになってしまうなんてことがあってはいけないですし、そういうことは、そうならないようにしていただく政府には御責任がありますけれども、そういったことも含めてさらなる審議を希望しますし、委員長、あと、児童虐待等に関しても、やはりまた集中審議の場を設けていただきたいなと切に希望しておりますので、お取り計らいいただきたいということを最後に申し述べまして、質問を終わります。

 

以上、厚生労働委員会での「水道法の一部を改正する法律案」の法案質疑の報告でありました。

私は、国民の皆様が安心・安全に暮らすことができる社会を構築するため、これからも、政府に訴えていきます。皆様のお声をお寄せください。

衆議院議員 吉田つねひこ 拝

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